昨日の君に会いに行く
@neromu
事の発端
僕はのどかな田舎に住む、ごく普通の高校生。 成績は平均より少し上。 友達も沢山いる。 現在彼女なし。 そこら辺にいるような奴だ。
ただ、一つを除いては。
僕、綾木直(あやぎ なお)は夢の中で異空間を移動できるようになってしまった。
意識してではなく、突然に。
最初はただの夢かと思った。
だけど、夢で見た事が現実に起こったり、明日の事も見れるようになった。
自分の事だけじゃなくて、他人の事もみれてしまう、ある意味厄介な能力だ。
なぜ、僕にこんな能力が生まれたのか…。
それはある日の夕方。 僕はいつも通り学校が終わり、家に帰る途中だった。
「ふぁぁ…。 疲れたぁ…。」
放課後、特に用事が無かった僕は真っ直ぐ家に帰っていた。
近くに公園があり、子供たちが楽しく遊んでいた。
「元気だなぁ、子供って。」
「はぁ。 帰ってゲームでもするか。」
そんな事を考えていた。 その時、突然子供が叫ぶ声が聞こえた。
「おにーちゃん! ボールとってー!」
「ん? ボール?」
子供たちが遊んでいたのであろう、サッカーボールが僕の方に勢いよく転がってきた。
僕は足で止めようとしたが、ボールは股の間を通ってしまった。
「あ、やべ。」
ボールを追いかけたその時、大きなクラクションと共に車が目の前に迫っており、僕は中に浮いていた。
迂闊に道路に出た僕が悪い。 死ぬんだ。 そう思った。
その後、僕は病院に搬送され、何とか助かった。
その時からだ。 僕が変な夢を見るようになったのは。
最初は朝、僕が寝坊する夢。
その次は授業の内容。
夢を見た次の日に全く同じことが起きるようになった。
夢の中で未来や過去の世界に行けるって思った瞬間、僕はとんでもない力を手に入れてしまったんだ。 そう思った。
まだ、このとき僕は分からなかった。
この力を手にいれた、本当の理由を。
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