3月13日 ある意味下ネタな話

 今回の内容については、人によっては不快な気持ちにさせてしまう可能性があることをご了承頂きたい。


 男は言い訳をすることを生業としていた。

 ・・・と、言わざるを得ないくらい、日常生活で言い訳が占める割合が過半数を超えている。クレームにしろ、上司にしろ、大概何とも言えないような理不尽な問答に困った挙句の対応なのであるが、ここ最近は自分自身が理不尽な猛獣と化しているような、そんな気がしてならない。


 それもそのはずだ。

 理不尽に振舞われた結果、自分も理不尽に振舞わなければならない。

 理不尽が理不尽を呼ぶ。

 いつしか嫌われ者と蔑まれるまで、男は言い訳をしつづけるのである。

 きっと、自分に理不尽をかざす理不尽でさえその上から理不尽を注がれているのだ。

 その理不尽を受け流すため、今日も男は理不尽に耐え、理不尽に振舞うのである。

 全く迷惑な話である。


 それはさておき、花粉症が辛い。

 花粉症とは全くもって理不尽な症状である。

 人間の利便のために伐採された木材の穴を埋めるために植えられた植物によって、男は今日も苦しんでいた。


 生物たるもの、世代を継いでいくために勤しむことは必然である。

 しかし、それを人間に注ぐとは何事か。


 こんなことを書いてしまうと、あらゆる議論を呼びそうであるが、今回はそっとしておいていただきたい。

 だが、言わずにはいられない。

 花粉症とは、壮大なスケールの下ネタにほかならない。

 杉という植物の雄しべから放たれた子種によって、我々は日々汚されているのだ。

 一種の植物による生殖活動によって人は苦しめられている。しかし、この現状を生んだのは人のエゴであることは事実である。ある意味では、こうなることを望んだ人間がいるのかもしれない。杉の大量の花粉を取り入れることにより、興奮作用が得られる人間の所業である可能性もありうるだろう。

 しかし、雌しべは何をしているのか。これだけ大量の花粉が放出されていることを知りながら、しっかりと受け止めていないのだろうか。もっとこう、一生懸命になって取り入れる努力をしてもらいたいものである。同じ個体を共有する者同士、協力しあわなければ子孫繁栄に繋がらないことを承知の上で、雄しべの放つ花粉を人間に吸わせておいて良いものなのだろうか。

 そんなことを考えながら、ふと思った。これは、人間世界でも同じことが言えるだろう。どれだけ男性が一生懸命に勤しんだとて、全てが女性に届くものではない。ただでさえ草食系男子が増えている世の現状を考えれば、むしろ杉は貪欲によく頑張っている方だと言えるだろう。人間も、杉を見習ってもっと積極的に挑むべきなのだと言いたいのかもしれない。

 理不尽な世の中であることは、人も杉も変わらないのだ。

 

 いずれ、杉花粉の擬人化された漫画が出るかもしれないなと考えていたら、今日も執筆が進まなかった。

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