10月24日 怠惰

 忙しい、ということが理由で更新ができない。

 ただ、忙しさ理由にするだけでは面白くないので、あれやこれやの言い訳を考えていた。


 結果、言い訳を考える暇さえなくなっていた。

 ついにはエピソードのストックもそこをつき、我が作品のPVも伸び悩み、いつかは底の方に埋もれて誰からも忘れ去られてしまうだろう。

 いつしか、物好きな考古学者のような人たちが、自分の作品を手に取って読んでくれることを期待しながら、僕は今日も眠りにつく。


 しかし、現実はそう甘くはない。

 それは、ただ考えるという行為を放棄して、ラーメンを主食にただ怠惰を肥え太らせる結果だけを生んでいた。


 忙しいはずなのに、体重だけが増えていった。


 これが、PVが跳ね上がったときや、読んでくださった方々からの反応があるときはむしろ体重が落ちているのであると気づくのに、そう時間はかからなかった。


 逆に考えれば、思いっきり小説を考えて執筆を続ける限り、太ることはないはずだった。

 その考えを見事なまでに打ち砕くのは、ラーメンのもつ呪いのような、その脂であった。

 脂は脳によくない作用を持っている。

 人の思考力、とりわけ、やる気を司る部分を麻痺させ、前向きな気持ちを奪っていくのである。

 だからこそ、食生活には気をつけるべきなのだ。


 そう言いながら、男はカップラーメンを啜っていた。


 執筆は全くもって進まなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る