レインの世界・4

 日々無数のレイン・シュドーが目覚め、肌色の家から次々と新たなレインが湧き、空中まで一面ビキニ衣装の美女に埋め尽くされ続ける『町』。

 入れ代わり立ち代わり新たなレイン・シュドーが世界中から集まり、全てのレインを代表する形で日々もっと強くなるための鍛錬に明け暮れる『闘技場』。

 愚かな命からこの世界を完全に手に入れて以降、彼女たちは雑多な要素が入り混じっていた広大な空間をより分かりやすく、自分の思い通りに改変し続けた。自分と同じ姿形、同じ記憶、同じ要素を持つ純白のビキニ衣装の美女を果てしなく増やし、何よりも大好きな自分たちがもっと住みやすい場所にしたい――彼女たちは常に前向きな気持ちを維持しながら、この世界を覆いつくし続けたのである。

 そして、レイン・シュドーという単一の存在によって征服された場所は、『地上』だけではなかった。


「あ、レイン♪」お疲れー、レイン♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」お疲れー♪」…



 無限に続くこの世界を見下ろすかのように広がる『空』もまた、レイン・シュドーを形作る色――髪の黒、健康的な肌色、そしてビキニ衣装の純白によって隙間無くびっしりと覆い尽くされていたのである。


 かつて、『魔王』=この時間よりも未来の世界に生き続けているというレイン・シュドーに協力しながら世界を思うがままに変え続けていた時、無数のレインたちの中に少しづつ1つの願望が生まれていた。愚かな人間たちが住み続けていたこの地上を覆い尽くすのも確かに快感であったが、それだけではまだ満足しきれない、何かもう1つ大きなものを自分たちの抱く平和でたっぷりと満たしたい、彼女たちはそう考え始めたのである。そして、レインたちの瞳の先にあったのは、白い雲が無数に漂う、どこまでも青く広がる『空』と呼ばれる空間だった。

 勿論レインたちにこの綺麗な空の色を否定する気持ちは無かった。だが、この時点で既に彼女たちはこの空の色よりもさらに美しい色を認識してしまっていた。世界で最も麗しく可憐な存在であるレイン・シュドーを構成する色で、この空を塗りつぶしてみたい――いつか世界が真の平和に満たされるであろうその時まで、彼女たちはその思いを心の奥底に抱き続けていたのだ。そして、全ての真相が明らかになり、誰も自分たちのを止めることができない状況になった時、彼女たちは長年の夢をついに実現させたのである。


「うふふ、レイン♪」あはは、レイン♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」うふふふ♪」あははは♪」…


 

 この世界の空は、蠢き続ける純白のビキニ衣装の美女の笑顔によって満たされていた。かつて『青空』と呼ばれていた空間は、レイン・シュドー数千京人分の厚さを持つ『肌色の雲』によって覆い隠されてしまった。睡眠を取らずとも永遠に老いることなく無限の命を保ち続けることができる彼女たちの周りには、別の自分の美しい姿がいつも四方八方に広がっていた。滑らかな太腿、整った形のお尻、魅惑の腰つきに柔らかな胸――世界を魅了するあらゆる美を、彼女たちは堪能し続けていたのだ。

 どこまでも耳に入るのは、軽やかに飛び回る自分たちの可愛らしい笑い声。視界に飛び込み続けるのは、自分と全く同じ姿形をしたあふれんばかりの美女の――そんな最高の空間で体を癒すのが、地上で鍛錬を終えたレインたちの楽しみの1つだった。敢えて自分の力で疲労を治癒せず、レイン・シュドーと言う何よりも効果がある力を借りて、彼女たちは先ほどまで続けていた厳しい試練で溜まった辛さをたっぷりと解消していたのである。勿論、空でのんびりと過ごすレインたちにも楽しみがあった。自分たちとは別の体験を経た彼女たちから、その鍛錬の記憶を分けてもらうのだ。


「「「「「「「「「そうか、まだ一歩足りないんだねー」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「でもだいぶ形にはなってきたかな……」」」」」」あと少しかもしれない、かな?」」」」」」

「うふふ、頑張って、レイン♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」頑張って♪」…


 四方八方、遠い空の彼方からも数限りなく聞こえる、純白のビキニ衣装の美女からの励ましの言葉――その快楽に我慢ができなくなったレインたちは、一斉にその喜びを発散させた。


「あぁぁん、レイン!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」…



 先程までその空間にいた数兆人レインたちは、一瞬のうちにその数千兆倍もの数に増殖した。あっという間に膨れ上がった彼女の大群は周りの『雲』を構成していた別の自分たちをも巻き込み、その一帯に巨大な肉の塊を作り出してしまった。全身至る所に自分自身の肌や髪が当たり、身動きも大量の自分に封じられて一切取れない状態――遥か昔、戦いに明け暮れていた未熟な頃のレインなら、この事態に苦悶の表情を浮かべ、逃げ出したいと必死にもがき続けていたかもしれない。だが、数々の経験を積み、あれから長い歳月が経った今のレインの反応は真逆だった。


「あぁん、レイン!」もっと増えてぇぇ!」」もっと増えたいわぁぁぁ!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」あはははは!」…


 もっともっと自分の体に押し潰されたい、数限りなく自分の肌を感じ続けたい――世界を縛る大半の柵から解き放たれた彼女は、規律を守り続け常に前を向くだけでなく、時に自分の心に正直になり思いっきり気持ちを発散させるのも大事である、としっかり認識していた。だからこそ、レイン・シュドーはこの純白のビキニ衣装の美女で構成された広大な肉の塊をもっともっと広げたい、という欲望に敢えて逆らわず、思いっきり楽しみ続けたのである。

 1人のレインの周りから凄まじい速さで新たなレインが生まれ、移動する間もなく別の自分たちによって行動を制限され、あらゆる方向から艶めかしい体を押し付けられる――彼女たちにとって、まさにそれは1つの理想的な空間であった。



 だが、レイン・シュドーは自分の欲望に果てしなく流され続けるほど、愚かでも弱くも無かった。



「「「「「「「「「「「「「「「「「「はぁ……はぁ……」」」」」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「いやぁ、随分楽しんじゃったわね、レイン……♪」」」」」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「そうね、レイン……♪」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」



 確かに、ビキニ衣装の美女の肉体という何物にも代え難い喜びについ溺れてしまったのは否定できなかった。ともすれば『暴走』とも取れる行為によって肌色の雲の層が僅かながら更に分厚くなってしまうほどに、レイン・シュドーは増えすぎてしまったのだ。だが、彼女たちはそんな自分の心に対する引き時をしっかりと熟知していた。これくらいたっぷりと味わえば大丈夫だろう、と言う基準を、常に心の中に抱いていたのだ。この未来永劫続く平和な世界で得る事ができる楽しみは、これだけに留まらないのだから。


 たっぷりと戯れ続けて火照った体を見せびらかしつつ、少し顔を赤らめながら愉快そうに語らうレインたちに、また別の場所から数十京人、新たなレインたちが加わった。



「「「「「「「「「おはよう、レイン♪」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「「「「たっぷり楽しんでたわねぇ、レイン♪」」」」」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「もうレインったら♪」」」」」」からかわないでよ♪」」」」」」



 彼女たちが先程まで佇んでのは、無数の肌色の家が立ち並ぶ居住区でもなければ大量のレインが美しい汗を流す闘技場でもなく、また別の空間――絶え間なく新たなレインが生まれ続ける場所だった。彼女たちはそこで、どこまでも繰り広げられる上空の自分たちの戯れを心躍らせながらたっぷりと見物していたのである。それも、200日もの間。


「「「「「「「「へぇ……200日も私たち……」」」」」ぎっしり増え続けたんだ……」」」」」

「「「「「「「「「「「「「「徹夜しちゃったって事になるわね、レイン♪」」」」」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「「「えへへ……」」」」」」恥ずかしながら……♪」」」」」」


 あまりにも自分相手に夢中になりすぎて時が経つのを忘れてしまい、更に顔を赤らめてしまったレインたちを励ますように、新たなレインたちは彼女たちとは別の考えを述べた。そんなに長い時間が経過していたのも感じなかったと言う事は、少なくともレイン・シュドーの中では自分たちが目標としている『時間の破壊』――この世界の時間そのものを思い通りに動かすと言う理想が達成できているのではないか、と。どれほど時間が経とうと、規則正しい生活など敢えて意識しない限りは、レイン・シュドーという存在は時の流れを一切気にせず生きていけると言う事だ――当たり前のことかもしれないが、改めてその事実を振り返った彼女たちの心の中からは不思議と元気が沸き上がってきた。


「「「「「「「「「それもそうね……」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「でも、私たちの一番の目標は……ね?」」」」」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「そうね、レイン♪」」」」」」」」」」」」」」」」



 『不規則』な生活をしながら『規則正しい』生活を営むという矛盾した行動を取る事ができるような存在になる――日々の暮らしや鍛錬の中で思い描いた理想を口に出す事で、空を覆い尽くすレインたちは改めて未来への希望を確認することができた。


 そんな中、この数限りなく広がる純白のビキニ衣装の美女の『雲』に加わったレインたちは、元からいた自分たちにある誘いをかけた。折角だから、気分転換に地上をのんびり散歩しないか、と。


「「「「「「「「「「いいわね、レイン♪」」」」レインも行きましょう♪」」勿論よ、レイン♪」」」」」」」」

「「「「「「つい空で思いっきり増え続けちゃうのよね、レイン♪」」」」」」空って居心地凄い良いもんねー♪」」」」」



 でも記憶を共有しあうだけではなく、自らの体で様々な体験をするのも重要だ――新たなレインの言葉に、他のレインたちが乗らない訳がなかった。


「いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」いってらっしゃーい♪」…


 そして、どこまでも広がるの美しい声に見送られたレイン・シュドーが向かった先は――。



「おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」おーい♪」…




 ――かつて『レイン・プラント』と呼ばれていた物体が覆い尽くす、地平線の果てまで続く広大な肌色の山脈だった……。

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