学園コース2年目、と、エピローグ
現実世界で1週間後の土曜日08:15、予定通り、学園コース2年目が稼働した。
2年目は、にぎやかだ。なにせ、
「僕も今回、仕事が午後になった。『留学』は延期だな」
「きゃー、お姉様ー!」
というお約束のマキノを加えた俺達5人に加え、
「よ、よろしくお願いします…」
「陸上部にようこそ!毎朝ランニングよ!」
「日本の本も少しは読んで帰ってほしいわね」
という、『留学生』であるレオンくん、
「ツムグくんと同級生…しかも、1年間も…」
「登校も下校も休日も、一緒に…」
「…ひとつ屋根の下…同居…」
「あ、あの、みんな、この世界も『接触不可』だからね?」
という、強制ログアウトしかねないハーレムパーティ4人、
「ふむ、中学生という現実離れの立場で長く暮らすのも興味深いな」
「新たなる長き想いを胸に学び舎へと臨む」
「人の世の思いがけぬ絆に心を強く揺さぶられる」
今回は年度始めから参加する『あの2人』と、関根教授。
以上、13名が1年間継続滞在の予定だ。騒がしくならないはずがない。
「自己紹介終わったなー。最後に、今年度のクラス委員決めるぞー」
「はーい、昨年度に引き続いて、サトミさんとユキヤくんがいいと思いまーす」
「さんせー」
お前ら、今年度こそHRにはちゃんと出席しろよ?
◇
学園コース2年目は、怒涛のように進行しつつも無事終了した。メンツがメンツなので恋愛ネタや身内ネタが多く、運営への報告書には書けない話題が豊富なのが困ったところだ。
もっとも報告については、1年目や、辺境化した冒険コースの経験だけでも充実しており、既に送付した分が運営の絶賛状態だ。関根教授が追認していることも背景にある。『霧島レポート』は、その筋の人々にはよく知られたキーワードとなっているようだ。解せぬ。
2年目に新たに知り合った人々もいて、3年目は更ににぎやかに…と、現実世界の自宅で考えていた時、運営の会社からメッセージが届く。
件名は『予定変更のお願い』。またか、と思って本文を眺めた時、俺は顔をしかめる。
『国際宇宙開発機構』
という、俺にとっては縁のなさそうな名前が記載されていたから―――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます