異世界の職業集めよう！

第84話

　side ハク

「・・・変態（アストレア）と放置されてしもうた・・・」

「あの、皆さん本当にひどくないですか」

　と・・・言ってものお・・・

「まあ・・・頭にのぼっていた血は冷めたようですね」

「あ・・・」

　そう言われて、やっと冷静になってきた自分に気付いた。

「そもそもセリスさんもハクさんも焦りすぎです」

「すまぬ・・・」

　しかし、旦那様のことだと思ったから・・・

「それはわかりますが、皆さんハルオミ様のことをわかっていません」

「え？」

「あの方はこの程度のことで揺るぎません。あの方は仲間のことになったら・・・」

『いっでえええ！！なにしてくれてんだ！！人間がああ！！！』

「あ・・・！」

　まっすぐとこちらをみるアストレアの後ろから燃え盛る炎が飛び出す。

「・・・油断した」

　そして、がれきの中から飛び出してくる小娘（ミア）。

「・・・出てきましたか。意外と早かった、もといそのまま寝ていてくれればよかったものの」

『舐めるな！人間の拳を食らった程度では！・・・ってまた、新しい奴がいるじゃねえ・・・っておいおい』

　イフリートは興奮していたことがわかるほどだったが、アストレアを見た途端、唖然としている。

『ユアちゃんよお・・・本当に面白い奴に会えて面白いな』

「でも、遊んでいる暇はない」

『わかったよ・・・おい！！イグニス！！！』

『・・・』

『おいいいいいいい！！！！！』

『っ！！は、はい！！！』

　旦那様の威圧によって動けなくなっていた炎龍帝はイフリートの怒号によって目を覚ます。

　く・・・どんどん状況が悪く・・・

『何かたまってんだ！！！』

『す、すみません・・・！！』

　炎龍帝も構えだす。

「アストレア！！これはまず」

「大丈夫ですよ」

「え？」

『燃えろ！！！！』

　イフリートが巨大な炎を撃ちだしてくる。

　かなり大きい私のブレスが防げ、

「まずい、アストレア」

「大丈夫ですよ」

　そして、全く動かないアストレア。

　いったい何を・・・！！！

　炎はまっすぐアストレアのところに飛び、アストレアに直撃する！！！

　だが、

　バクン。

『は・・・？』

　その炎はアストレアの目の前で、完全に消え去った。

　いや、正確にはアストレアの目の前ではなく少し手前にいる、

「アストレアお姉ちゃん、せめて避けてください」

　銀髪の少女の目の前じゃった。

　その少女は10歳くらいじゃろうか。

　銀髪の髪を二つに結び、白いワンピース・・・って。

　今なんと？？

　アストレアお姉ちゃん？？？

　そして、その少女はゆっくりとこちらを向き、私をみてこう言った。

「大丈夫、お母さん？」

　・・・はあああああ？？？？！！！！！