第47話

「うう・・・ご主人様は私をなんだと思っているのじゃ・・・こんな辱め・・・」

 メイド服姿のユリアだった。

 実は、昨日から何かあったときのためにユリアを忍びこませていたのだよ。え?ギルド長の仕事?ああ、それなら、




「ひいいいいいん!ギルド長早く戻ってきてくださいいいいい」




 受付のパルムさんにやってもらうことになった。おっと、今はこっちに集中だ。

「あれはユリア・スカーレット?なぜギルド長がこんなところに?」

「ううう!ご主人様!!!この恥ずかしい状況はどうしてくれるのじゃ!」

「まあいいじゃんか、ご褒美にこれが終わったら撫でてやるよ」

「な!!私がそんなので喜ぶとおおおおお!思っているのか!」

 ・・・なんか嬉しそうなんだが。なんか最近契約のおかげか、俺に対する反応が軟化してきている気がする。いいことだが。さてと

「ユリア・スカーレットまで・・・なんなんだ、貴様は」

「俺か?知ってどうする?」

「き、貴様!動くなと」

 周りの近衛騎士が唖然としている間に俺はゆっくりと歩みを進める。

 そのことに気付いた近衛騎士の一人が剣を向けようとしたが。


「ああ、もう黙れ」

「「「「「「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」

「な・・・」

 周りの近衛騎士は全員気絶した。あれ?強すぎたか?近衛っていうんだからもっと強いかと思っていたんだが。

「ひいいいいい!!」

「さあ、どうする?お前を守るものは何もなくなったぞ?」

「う、うわああああああああ!」

「最後は剣をもって突進とか・・・本当にこの国大丈夫か?」

「へぐ!!!!」

 俺は剣をたたき折っておもっきりベルモントの顔面をぶん殴る。それでもまだ気絶していないベルモント。まあ、俺が気絶させないようにしているだけだが。

「金か!金ならいくらでも」

「いらん」

「なら女だ!もっといい女を」

「いらん」

「な、なら名誉だ!国王に直々に近衛騎士として」

「いらん」

「ひいいいいいい!!」

 ・・・こいつ学習能力がないのか。俺はとうとうエドモントの目の前に立った。

 そして、エドモントに剣を向ける。

「誓え」

「え?」

「金輪際俺たち含め剣聖たちの仲間全員に手を出さないと」

「そ、そんな「できないのか?」ひいいいいいい!わかりました!誓います!!!!」

「本当か?」

「ほ、本当です!」

「・・・分かった」

「ありがとうございます!ありがとうございます!」

 剣をしまって後ろを向く。だが、

「本当に・・・・




 甘いなあああ!!!!!!!!!!」

「ま、こうなるだろうな」

 ベキ

「・・・・あれ?」

 油断したかと思ったのか後ろからナイフってベタだな。

「やっぱり口約束はだめだな」

 そして俺は拳を握る。

「ひいいいい!今度こそは!今度こそは!!」

「だめだ。バインド」

「ひいいいいいいい!!!!!」

「龍化」

「いやだいやだ!!助けて助けて!!」

 ひどい有様だな。

「・・・お前はそう言われて助けたのか?」

「へ?」

「今まで力で抑えたやつに同じこと言われて助けていったか聞いてんだ」

「ふざけるな!なぜ弱者に私が命令されなければならない!」

 ・・・話にならないな。

「歯くいしばれ」

「いやだいやだ!!!」

「せえの!!!!!」

「うわああああああああああああああ」


 ベキ!!!!




 そして、ひび割れたのはベルモンドの横の地面だった。そのベルモンドは泡を吹いて気絶している。


「よかったな、ド三流。その下種な顔もちゃんと残っているぜ」


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