第15話


「主様~お食事の時間ですよ~あーん」

「こらぁ!このメス牛!!それは私の特権ですよ」

「何を言っているのですか。主をサポートするのは私の役目。ささ、主様っ」

「っつ!・・・いい度胸ですね・・・神に逆らおうとは・・・」

「私は主様のものです。主様が挑むなら神にも逆らいますよ」

「なんですってー!」

 ども、ハルオミです。まあ、何と言いますかね。とりあえず、この状況を見ていえることはただ一つかな。

「どうしてこうなった」

 はい、回想に入ります。


 それは、さかのぼること1時間前。

「ああ、こんなボロボロになっていたのですね!わが主!!!」

「は・・・?」

 ミノタウロスを倒し、へとへとになっているときにミノタウロスだったものが急に光りだしたと思ったら目の前には牛耳牛角の女の子がいた。背丈は俺と変わらないくらいで髪の毛は黒。アストレアがキレイ系ならこの子は可愛らしさが目立つ。その体つきはある一点が目立つ。ああ、そんなに動いたらそんなになるんですね。

「ハルオミ様?」

 はい、アストレアその顔やめて。怖い、怖いから。そして、おもむろに寄せるのやめい。

 俺はフラフラな頭の中を切り替えて目の前の相手に意識を集中させた。決してアストレアが怖かったわけではない。

「えっと・・・とりあえず、君は?」

「ああ、私としたことが申し訳ございません。私は先ほどのミノタウロスです」

「「!!」」

 それを聞いた瞬間俺とアストレアは体をこわばらせた。しかし、

「ああ、大丈夫です!危害は加えませんし、主様に手を出すわけないじゃないですか!」

「主様?」

「はい!私は先ほどまでの主様との戦いで主様の強さに触れ、もっと主様の近くにいたいと思ったのです」

「・・・モンスターが人型に死んでから進化するなんて聞いたことないわ」

「アストレア様ですよね?」

 女の子はアストレアの方を向くと確認をとっていた。

「ええ」

「ここの神様が最近導入したらしいです。ある特定の条件を満たすと私のようになるらしいのです」

「・・・なるほど。ここの神はあのお方でしたわ」

「どんな神様なんだ?」

「・・・面白ければ、なんでもありなお方です」

 なるほど、なるべく会いたくないな。面倒くさい神だ、たぶん。

「つまり、君は俺のために生まれ変わったと」

「はい!」

 なんというか・・・

「ありがとう」

「「!!」」

 こんなに慕ってくれる奴が増えるって嬉しい。

 そんなことを思っていると、目の前では

「あああ・・・ほんとそういうところが好きなんです!ハルオミ様!!」

 ああ、そこでくねくねしなきゃなあ。

「さすが、主様・・・」

 きみはすごいね、尻尾。そんなにぶんぶんするんだな。

 ・・・まあ、とりあえず。

「もう無理」

「「え?」」

 俺はそのまま意識を失った。そして、冒頭に戻る。その後、気を失った俺は、30分ほど寝ていたらしい。そして、今のこのざまだ。

「あのさ、まずは落ち着けって」

「「だってこの人が」」

はもったな。そんなことを考えていた時にふと気づいたことが。

「そういえば、君の名前は?」

ミノタウロスの生まれ変わりかといって名前がないとこれから呼ぶのに困る。

「それは主様がつけてください」

「俺が?」

「はい!」

まさかの俺が命名するのか。

「うーん・・・」

ミノタウロスの生まれ変わりだから・・・ミノ?みの・・・いややめておこう。女の子だから・・・間をとって・・・」

「・・・タウ・・・なんてどうだ?」

「・・・タウ!!いいですね!!!」

「じゃあ、君の名前はタウで」

「はい!主様!!!」

そう言ってタウはすごいいい笑顔をしていた。俺の異世界初めての仲間の誕生だった。



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