Second memory 71

= second memory 71 =


どうして?その傷にkissしていいのは私だけなんだよ。傷を負ってからSHINは誰とも付き合ってないから、私しか。

その傷には私のいろんな想いが籠っているんだよ。

想いと祈りを籠めてkissしてたんだよ。

今、SHINとkissしていいのは私だけなんだよ。

婚約してるんだから。結婚するんだから。

どうして?ツーちゃん知ってるよね?

私がどんなにSHINのことを好きか。

どうして?婚約したこと話したよね。

だのにどうしてSHIN とkissしてるの?

どうしてベッドにいるの?ふた・・りで。

どうして、私のお土産なの?

お土産って嬉しいもんだよ。どうして?

テーブルの上に写真を置いて、ソファーを立ち上がった。ちょっとふらふらする。

カバが、梅昆布茶を、持ってきて、テーブルの上の、写真を、見たのかな

『ツー!ⅩⅩ○□Ⅹ!』

何か叫んだけど、聞き取れない。

どうして?ツーちゃんは私のたった一人の親友で、SHINは私のたった一人の恋人で・・どうして?

ドアを開けようとした時、ツーちゃんが

『cherryばっかり!□Ⅹ□ⅩⅩ』って叫んでるのと、カバの

『cherry!待ちなさい!』って声が聞こえた、気がした。

私は〈SHELLEY 〉 を出た。ツーちゃんが笑ってるかもしれない。


どう歩いたのかわからないけど、家には帰れている。部屋にいるから。熊のSHIN を抱きしめている。胃が痛くて、頭が痛くて、ずっと目眩が少ししている。

ツーちゃんの高い笑い声が、耳鳴りみたいに残ってる。

頭の痛さが耐えられない。引き出しから、頭痛薬をだして飲んだ。あれ、さっきも飲んだかな?

帰ってすぐも飲んだっけ?でも頭痛はおさまらない。こめかみから、何かを突き刺されてるみたい。そのまま熊のSHINを抱いてベッドに倒れた。

SHIN、どうして?


夢を見ていた。SHINの上にまたがってkissしてる夢。でもそのあとで鏡を見たらそこに映っているのはツーちゃん。

鏡の中のツーちゃんがすごく笑う。キンキンした声で。頭が痛くなる。そんな夢を何回も何回も見ていた。


私は熱がなかったらしい。高熱の反対、低体温。

呼んでも降りてこない私を心配して見にきたおばあちゃんが、スーツのままベッドに倒れてる私を見つけて、救急車を呼んでくれたんだって。

私は胃洗浄をされて1日病院で眠ってたらしい。

覚えてない。嫌な夢しか。


携帯電話には何件も着信が入ってる。SHIN から。メールも。

『cherry、帰ったよ。今日来ないの?』

っていう呑気な内容から始まって、

『cherry、連絡して違うから!なにもないから。』

っていうの。それから

『連絡してください』

っていうのが何件も。ごめんねSHIN 、気がつかなかった。

家に帰って自分の部屋から電話をした。でもでない。何回かかけたけど、でないからメールした。

「ごめんね。ちょっと入院してた。今から行くね。」

今日は私たちの1日だけの記念日。

シャワーを浴びて出掛ける用意をした。

おばあちゃんがソファーで眠ってたから、毛布をかけてメモを残す。

「もう大丈夫だから出掛けるね。頭が痛かっただけだから。心配かけてごめんね。今日は帰りません。」

もう大丈夫。すっごく寝たからかえって元気。


am3時頃に病院のベッドで目が覚めたときは、本当にたっぷり眠ったみたいで頭もすごく冴えていたから、今回のことをとても冷静に考えられた。

多分、ううん、間違いなくツーちゃんのイタズラ。

東京のSHINのホテルに行ったツーちゃんは、SHINを酔わせたんだろう。ほんとに弱いから。ツーちゃんの声は私に似てるし、この間の髪型も私にそっくりだったから。

いつか〈SHELLEY 〉でもSHINはベロベロに酔って、ツーちゃんと私を間違えたことがあった。

今回、なんでそこまで飲んだのかはわからないけど、ツーちゃんを探してたことはSHINも知ってたし、見つけてホテルに連れて行ったのかもしれない。SHINにとってツーちゃんは妹みたいなものだから。私とお兄ちゃんでも、お兄ちゃんはそうするよ。

ツーちゃんは、私の神戸でのいじわるな言葉に、いじわるを返したんだ。私の一番弱いところに。


まったく、ツーちゃんもツーちゃんだけど、私も私だよ。あんなにショック受けるなんて。

せっかくSHINが記念日に間に合うように帰ってくれたのに。

なんで低体温なんかになっちゃったんだろ?

思いあたるところは頭痛薬かな。何錠飲んだんだろ?頭、痛かっただけなのに。

ほんとにバカだなあ。

大人にも、強くもなれてない。

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