36.Sな彼女とNな彼

私の占いが終わると


舞はテルス先生にみてもらっていて


園子は受付の所でパワーストーンを


選んでいた。




「どれがいいか迷う~」




「こういうのは直感で選ぶのがいいよ。園子にはこれがいいんじゃない?」




アメジストのブレスレットを


腕に合わせるとキラリと輝く。




「可愛い! ありがと。これにする~」




「うん」




舞も出て来て


ローズクォーツのネックレスを


買っていた。




「そろそろ帰ろう」と言ったけれど


二人に「占い結果どうなったの?!」と


詰め寄られて、近くのカフェに入った。





ワクワクと見つめられて


彼氏のことで言われたことを話した。




「彼氏は待ってるって言われたよ」




「じゃあ、会いに行けばいいんじゃない?」




「会いに行くって連絡しても返事が来なくて行くに行けないんだよね」




「もう連絡つかなくても行ってみたら?!」




「行って会えなかったら交通費がもったいない……」




往復で数万円。




「いいじゃん。家で待ってれば帰って来るでしょ」




「合鍵持ってないよ~」




「んじゃ、家の前で待っておけばいいじゃん。いつまでも駄目になるか不安になってるより良くない?」




「それは……そうだね」




「実結を待ってるんでしょ? 行っておいでよ」




二人に後押しされて


会いに行こうと思った。




ほんの数分でも会って顔を見れたら


不安なんて消える気がした。




「うん。あー、でも今月はイベントが多くて土日出勤ばっかりなんだった……」




早く会いに行っていれば


どうにかなっていたのか。




どうにもならなかったのか。




スケジュール帳の六月の第一土曜日に


ピンクでハートを書く。





彼はあなたを待ってるよ。





その言葉を信じると決めた。





園子が「終電なくなっちゃう!」と


思い出したように席を立った。




「じゃあ、急ごう」




飲みかけのミルクティーを


置いたまま店を出た。





駅で反対方面の舞と別れて


園子と二人で南方面の電車に乗る。




「次に本社に来る時には私にも連絡してね」




「うん。でも、もう本社での会議はなくなるから当分来れないかも」




「なくなる?」




「次回からweb会議になるんだよね。こっち来なくていいみたい」




「テレビ電話みたいなやつ?」




お互いのライブ映像を見ながら


話すことが出来る。




「そうそう。本社と各営業所を繋ぐみたいだよ」




「へー、ハイテクだね」




「今日はブルートゥイルさんが営業所回って設置してたよ」




株式会社ブルートゥイルってことは


彼がまた動いてるんだ。




「西川さんが?」




「名前はわかんない。小太りで地味な感じの人がパソコン画面に映ってた」




「何だ。違う人か……」




「ん? 西川さんじゃなくてガッカリした??」




「へっ?! そんなことないよ!」




ホッとしたような複雑な気持ちで


首を横に振った。











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