32.Sな彼女とドSな彼

翌週のことやったと思う。




朝の給湯室にいるサヤカの変貌に


タヌキが化けんのを失敗したかと思った。




ふら~と所在なさげにうろつく。




おいおいおいおい……(汗)。




こいつ大丈夫か?!




目の下にはクマ。



顔は土色。



歩く姿は幽霊。




まさに生ける屍。




こないだまで


ガツガツ納豆巻食ってたアライグマと


同じ生き物と思われへん。




「サ、サーヤ? 生きてるか?」




「生きてますよ〜……」




「ふなっきーと何があってん?!」




理由はそれ以外には考えられへん。




「別れたんで……」




ええっ?!




「な、何でや?!」




「言いたくないんで、そっとしといてくれませんか……」




振られたんやな。



相手はまだ遊びたい盛りの若者やしな。



童貞卒業したら色んな女とやりたいよな。




「そっか。すまん……」




「いえ……」




「昼は外に食べに行くか? おごったるから」




「食欲ないんで結構です……」





重症やな……。




気持ちは痛いほどわかる。




今は少し時間が必要やな。









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