24.Sな彼女とドSな彼

初めて抱いた夜



実結は涙目で震えていた。



震える体を抱きしめると


壊してしまいそうで


俺の方まで震えた。




「好きな人に抱かれることがこんなに幸せだって知らなかった。好き過ぎても幸せ過ぎても泣けちゃうんだね」



そう言って涙を流した実結を


一生守っていきたいと思うほど


愛おしく感じていた。






あんな可愛かった子が


自分から求めるくらい成長した事に


感動すら覚える。




「実結! ちょ、タイム!」



「もう終わり?」



「俺はもうそんな若くないぞ(笑)」



「大丈夫。 あと一回だけ頑張って」



無茶言いやがって……(汗)。



「ほんまに次で打ち止めやからな?」



これ以上は何も出ない。



「んじゃ、電気消すね」



実結がピンクのナース服を脱ぎながら


照明を落とす。



「暗くしたら見えへんやろ」



「もう十分見たでしょうが(笑)。暗くしたい気分なの」



気まぐれな実結には勝てない。



「しゃーないな……」



「優しくしてね?」



「何ハジメテみたいな事を(笑)」



ふふっと笑う実結の体が


小さく震えていた。



「実結? 寒い??」



「うん。汗が引いて冷えてきちゃったかも」



エアコンを止めると


部屋の中は静まり返った。




実結が必死で涙を堪えてる事にも


溢れた涙をそっと拭ってる事にも


気付いた時には手遅れだった。




終わった後に実結の顔を撫でる。



「実結、泣いてんの?」



「ううん。ちょっと頑張り過ぎたね。私も疲れたから少し眠りたい。紀樹、腕枕して?」



信じられないくらい寝付きのいい実結は


すぐに寝息を立てはじめた。




「はやっ(笑)! 寝付き選手権NO.1やな……」




スースーと聞こえる呼吸の音に


誘われるように眠りに落ちた。




何にも知らずに


幸せな夢を見ていた。




目が覚めたら


この温もりが腕の中から逃げてくなんて


想像できるわけもないやろ?










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