タイトルにあるとおりシンデレラをモチーフにした恋愛小説です。
シンデレラといえば、継母と意地悪な姉二人に苛められるけれども舞踏会で王子様に見初められる美しい少女。
このお話にも財閥の令嬢として三姉妹が登場します。
しかし、こきつかわれるのはひょんな事から屋敷に住み込みで働くことになった主人公の青年、太陽です。
最初のうちは邪魔者扱いされますが、彼なりに誠意をもって接するうちに彼女たちと少しずつ心を通わせていきます。
しかしふとしたきっかけで太陽は自分にとって忘れられない相手が身近にいることに気がつき、ガラスの靴の持ち主を探す王子のように一度会っただけの彼女と目の前にいる三姉妹たちの間で心を揺らします。
何人ものキャラクターの目線で彼らの抱える葛藤やほのかな想いが情感たっぷりに描
かれて、物語を盛り上げます。
そこに起こる事件と顔の見えない運命の相手という謎がからみあって一つのエンターテイメントになっています。
大人の恋愛小説好きの方にはお薦めです。
辛い過去を過ごし、誰かを深く愛することが出来ない主人公の木村太陽さんが、とある切っ掛けで大財閥の桜ノ宮家の家政夫になる。というお話なのですが、これが実は壮大な純愛ラブミステリーでして。
最後のページまで、読者を惑わせ翻弄します。
複雑に絡みあった運命の糸は、神の悪戯か?それとも導きか?
とある事件に巻き込まれた桜ノ宮家、三女の皆様と太陽さんに忍び寄る、悪魔の手。
そして、それを乗り越えた先に見えるのは、真実の愛……。
こんなに大胆なラブミステリーを読んだのは、初めてでしたので、とても読みごたえがありました。
ページをめくりながら、誰が?どうして?と考え、見事に作者様の素敵な罠にはまり最後まで抜け出せなくなりました。
ネタバレ禁止のため、あれが!とか言えないのが少しつらいところでは、ありますが。
ちょっと変化球的な恋愛小説を読みたい!
と思っている方にはぜひ、お薦めです。
キャラそれぞれのエピソードがしっかりしていて、生き方、考え方の理由付けがしっかりしている。それぞれの想いが入り乱れて、すごく面白い人間ドラマに仕上がっています。
それだけじゃなく、エピソードの中に散りばめられた謎が物語を存分に引きたて、読んでいて飽きさせない仕掛けに溢れている。
主人公のちょい悪なカッコよさもたまらない。恋や愛を信じないと誓っているくせに、仕えるお嬢様に対する気遣い。これは男として憧れる、本当のモテる男だと思いました。
時には気遣い、時には悪役に徹しながら、さりげなくお嬢様たちの閉ざされた心を開いていく太陽さん。
人間ドラマはやはりこうでなきゃ!