無地のジグソーパズル

作者 SET

郷愁と呼ぶには、あまりにやるせない

  • ★★★ Excellent!!!

(短編集全体ではなく『春の遺骨と、物乞いの少年』がシングルカットの短編だったころのレビューです)

九歳の記憶。
ヤマビトの集落に住む、ぶくぶく病のイナねえさん。
面白い話をのっぺりとした口調で語る面倒見のいい彼女を、
幼い少年たちは慕っていた。

たぶんよくある誤解と偏見が、
取り返しのつかない悲劇を招いた。
今までそれを忘れていたことに、
彼は胸を痛めて、山を登る。

やるせない。
悲しくて痛い。
ただ、きれいなばかりではないからこそ胸に残る物語は、
その痛みごと全部、すごく好き。

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