第5話

「岸崎、加田だけど…」

「おう加田、決まった?出られそうか」

 岸崎でも通じる筈だと匡直ただなおは言ってはいたが、やはり半信半疑、おそるおそる電話をしたやすしに、岸崎は岸崎らしい喋り方で、匡直との会話の続きをしてきた。

「…いや、そのことでちょっと頼みがあってさ 」

 そっちに泊まりに行くことにしたいと言うと、「いいぜ」と二つ返事で岸崎は了承した。

 一人になり恭は匡直の活動限界を日の出までとして調べると、およそ6時前後だったが、夕方になり日が翳ってくると゛日の出゛といっても明るくなり出すのは、もう少し早いかもしれないと考えた。

 更に母はいつも6時には起きているので、最低でも5時半には帰っていたい。それらを踏まえ、どう家を抜け出るべきか悩んだ挙げ句、堂々と出掛ければいいのだと思いついたのだ。

 

 家でCSの海外ドラマ全話一挙放送を見ることにしたらと提案したのは岸崎だ。

「前に他の奴等とやったことあってさ、うち親が好きで加入してんだよね」

「うちは入ってない」

「じゃちょうどいいじゃん」

 後は母に承諾を得ればいいが、多分問題ないだろう。

「そうだ岸崎、足は?」

 どうなっているのか、とても気になる。

「ああ捻挫?治ってる治ってる、全然痛くねーよ」

 岸崎はあっけらかんと答えた。

「よかった、ホントに治ってるんだよな?」

「おう、あんま酷くなくて安心したよ」

 全く平気だという。恭は釘を刺されていたが聞かずにはおれなかった。

「でも今日の午前中だろ、いくらなんでも治るの早くね」

「まあな」

 返答は短かった。

「かなり痛そうだったけど」

「けっこうな」

「午後には完治してるって、おかしくない」

「…さあ」

 同様の質問を恭は更に2、3して、続けてもこのまま一問一答のような問答のままだろうと判断した。記憶の改竄は強固だ。

 むしろ気になったのは岸崎の答え方だった。

 質問を重ねるごとに段々、返事が淡々として感情が希薄になっていくように思えたのだ。これ以上答えを強いれば、表情まで人形のようになってしまいそうだと恐れたのも止めた理由の一つだ。

 はいても、これは岸崎の心身にそれなりの負担を掛けているのではないか、とふと思った。

(急いだ方がいいのかもしれない ) 

 灯った点滅と同時になぜか切ろうとした時の爪の痛みを思い出し、胸が悪くなる。

 生じた不安など思いもよらないだろう岸崎は、質問が切れた途端、復調した。

「俺からも1コ頼んでもいい?」

「 へ、うん、何?」

「ぼんやりしてんな、加田こそ大丈夫か?どっか悪いんじゃないだろうな」

 どっちがだと恭は一転脱力気味になる。

「あのさ、俺が゛彫爪崩し゛やってる間、加田は暇だろ」

 これは正しい。…岸崎の中では自分の人並み外れた身体力はどうされているのか、折角あれ程のことが出来るのに、覚えていられないのは寂しい。恭自身、匡直の身のこなしを目の当たりにし、なんで俺自身には爪が刺さらないと思ったものだ。

「で、考えてさ、シューティングゲームやんね」

「シューティングゲーム?」

「俺が的になって逃げまくるから、加田はそれを撃つ」

 確かに漫然と体を動かすのに比べ、面白くていいだろうが、

「弾が散らばったらマズいだろ、それに俺、専用の道具とか持ってないし」

 夜だと音も響きそうだ。

「ウォーターガンを使う」

 岸崎は言った。

「海に行く時に買ったやつがあるからさ、それ使おーぜ、水なら証拠も残んないし」

「 水鉄砲か、考えたな 」

 恭が感心すると岸崎は笑ってでもな、と言った。

「水はこっから持ってかなきゃいけない。俺がおもに持つけど、けっこう大荷物になるかも」

「平気平気、断水用の容器があるからそれ持ってくわ、ウォーターガン何コある?どうせなら岸崎も持って対戦しようぜ」

「いーね、完全防水して来いよ」

 一気に楽しくなってきた。うっかり目的を忘れそうだ。


 岸崎の家へは夜10時に行くことにした。

 電話を切り、母へメールを送る。物置に2つある(片方は灯油用)ポリ缶を探し、部屋でカッパ上下を出していると『いいよ』と返信があった。仕事中のメールは急用以外しないから、返事は比較的早い。母が帰ってきたのは7時前だ。「岸崎君て、中学も一緒だった岸崎君?」

「知ってんの」

 玄関で買い物袋を引き受けた恭は驚いた。

「中1の時クラス同じだったでしょ、お母さんと何度か話したことあるわよ」

 保護者面談等で顔を合わせることがあったと聞いて納得した。で出席番号は一番違いだった。にしてもよく覚えている。

 昼間、偶然会って意気投合し、徹夜でドラマ鑑賞することになった。というでっち上げに特に疑問も持たれず、ほぼ想像通り御両親が不在だからといって羽目を外し過ぎないように、と言い添えられたくらいだった。

 恭が冷蔵庫に袋の中身を移しながら見つけた菓子パンを掲げると、半分だけねと母は言い、豚肉のパックを頂戴と手を向けられた。

「えっと10時ね?送っていくから」

「えっ、いいって、自転車ならすぐじゃん」

 荷物もあるし、それは困る。着いたら直ぐに連絡すると約束して恭は何とか押し通す。他に突っ込まれることがあったらやばいと、話を逸らすべく菓子パンを頬張りながらテーブルの上の新聞を広げた。スポーツ面を探そうと捲っている途中、恭はん?と首を傾げて手を止め、ページを戻った。

 地域面の右上段に、うちの母親が載っている ?

「ちょっと母さん何やってんの⁉」

 一日に何度もこれ程びっくりするなどそうはない。ここ数年で一番驚いたのは2年前白師ぱくしが突然家に来て、離婚して地元に戻ったからよろしくと言った時で、そのレベルが今日一日で幾度あった?

「素敵でしょ、プロのカメラマンなんて恭の七五三以来よ。スーツは職場の若い子が選んで借りてくれてね 」

 どうりで初めて見る色のスーツだ。年齢的にどうよという薄ピンクだが、スッキリしたシンプルな形にデザインで、我母ながらよく似合っている。

「 じゃなくて一体どういうことさ、これは」

 スーツ姿で笑顔の写真の横に加田かだ有陽ゆうやさん(36)とあり、簡単なプロフィール、勤め先の概要が載っている。

 高校生の息子が1人、というのは紛れもなく自分だ。記事の趣旨は県内で就職を目指す女子高生・大学生からの質問メールを元に、記者が県内で活躍する女性たちにインタビューを行うというもので、最終回にインタビューを受ける゛活躍する女性゛が母か…。

「  …」

 よく見るとプロフにこの春から課長に就任と書いてある。初耳だ。息子の知らぬ間におそらくとんでもない昇進を果たしている。

「頼まれてね、とてもお世話になった人だから、受けることにしたの」

 ざっと目を通した内容も真面目で、誇らしい気持ちもあるが、どちらかと言えば複雑だった。

「…あんま目立つと、仕事に差し障りとか…」

 どういう経緯か知らないが、シングルマザーだとかで足元を見られてるんじゃないか、などつい考えてしまう。

「心配しなくて大丈夫よ、取材依頼は職場あてに来たんだし、いい宣伝になるって喜ばれたんだから」

「それならいいけど…」

 母は自分のことには輪をかけて楽観的で、その分恭の方が気を揉むことが多い。スポーツ面はやめ、新聞を閉じる。

「お風呂入ってきたら?行く準備はできてるの」

「 いや、準備はあと少し」

 自転車に括り付けるポリ缶をどうかしなければいけないと気づいたからだ。出掛ける時、説明に困る。

 外回りに隠して取りに戻ろうか 。立ち上がると隅っこのビニール袋が目に入った。

「持って行ってね、仲良く食べるのよ」

「いくつだよ、おー、いつもより上等の菓子だ」

 ゴージャス風箱入りは自分では手を出しづらい。


 外に出ると月が出て明るかった。

 恭は手袋にネックウォーマーを着けて自転車に跨る。昼間暖かかったとはいえ4月に入ったばかりの夜は、まだそれなりに寒い。

 出掛け際もう一つ思いつき、白師に高校の同級生のとこに泊まりに行くとメールを入れ、岸崎の家に着く直前に返信があった。

「さすがは幼馴染み」

 返信は『了解。戸締りの注意を促しとく』だった。


 二階建ての家のチャイムを鳴らし、岸崎と顔を合わせた直後、岸崎はになった。顕著に纏う雰囲気が変わるため、間違い様がないのだ。

 あまり遅くに出ると不審に思われるので10時にしたが、実際の作戦開始は午前1時、時刻の根拠は暗いうちに行って帰れるくらいの理由だ。

「時間までどうする」

 恭が聞くと「寝る」と匡直は即答した。そのままベッドに潜ってマジ寝してしまったので、恭も隣に用意してもらった布団を被り時間までウトウトした。


 そして今、深夜の坂道を水を詰めた18L容量のポリ缶を荷台に載せた自転車で上っているのだが 。

 思った以上の重量感だ。縦にしっかり括り付けてはいるが、とっくに自転車を降り片手で荷を支えながら押し歩く羽目に陥っている。匡直側はウォーターガンに2ℓのペットボトルなどを段ボールに入れ、荷台に積んでいる。こちらも自転車をついてはいるが、涼しい顔だ。

 匡直の身体能力が総合的にどのように、どれくらい高くなっているかはよく分からないが、非常識級ではある。しかしそれに耐え得る体を持っている状態なのに、外見の変化は捻挫が治ったくらいで特に見当たらない。

「自転車代わるか?多分まだある」

「いい」

 本当に親切で言ってくれてるようだが、最初に平気だと断った手前、そう簡単には代われない。

 国道から『鳳凰 特別養護老人ホーム』の看板を右に入ってすぐの山道を、ほぼ初めから自転車をついている。もうだい分上がっている気がするが、まだあるらしい。

 両脇を木々に挟まれた山中の道でも月明かりが落ち、ライトを消していてもさほど困らない。道路の反対側の、月光に反射するガードレールやの闇を交互に見詰め疲労を紛らわせつつ進んでいると、

「着いたぞ」

 という匡直の声に恭ははっとして顔を上げた。

 左にチラチラと人工の明りが目に入った。思ったよりか細い光りだが、それでも最後の力を振り絞るには十分なともしびだった。


 第2駐車場から見上げた施設らしき建物は、ここからは比較的距離があるように思えた。逆に施設からはこちらを見下ろせる形だが、間にあるおそらく山の斜面に生えていたままの雑木が、匡直の言っていた通り目隠しになっていた。

「…あれエレベーター?」

 右手の階段奥に大きな細長い箱がある。

「そう。あれで上がった先にもう一つ駐車スペース、その先が施設だ」

 ここにも2、30台は入る。老人ホームの平均的な規模は知らないが、割と大きなとこなのか。

「元々の駐車場はここだけだったが、不便だから職員皆、施設前の空き地に駐車するようになったそうだ」

「ああなんだ、でもエレベーターまであるとか金かけてんよなー」

「山頂には展望台も造りかけて、結局財政難で頓挫したと聞いた」

「…暇だったのか?納涼祭」

 無駄口をたたくうちに体力が戻ってくる。

 照度を抑えられた外灯は階段とエレベーターの間にあった。

 外灯からは極力離れた位置を取った匡直は゛水鉄砲゛を手に言った。

「始めるぞ」

 一つ息を吐き、恭は両手でウォーターガンを構えた。静まり返った建物を再度見上げてから応じる。

「よし、戦闘開始」


 匡直の持ってきたものは2種類。どちらも夏らしく青と黄色のプラスチックで作られた水遊び用の玩具だ。

 恭が使うのはマシンガン風と言えなくもない形状で、ポンプ式ウォータガンというやつだ。銃の後部に水を入れたタンクをセットし、銃身下のポンプで圧を加えるのか、引き金を引くと連続噴射できる。

 対して匡直の方は水鉄砲という言葉の似合う定番のピストル型で、引き金を引くごとに水が飛ぶ。

 …そして当然といえば当然だが、水撃を受けるのは恭ばかりで匡直には一つも命中しなかった…。掠りもしない。

「ぼやっとするなよ」

「うわっ」 

 両足、両腕、眉間の順で打ち抜かれ、恭は情けない悲鳴を上げた。

 あまりに不利なので途中から自転車2台を盾にし、ポリ缶を置いてある駐車1台分のスペースに入ったらそっちの攻撃は不可だの、こちらに有利なルールを作りまくって交戦しているのだが、戦況は一方的かつ圧倒的

だった。

 威力と飛距離、持続性と性能では完全に有利な恭のウォーターガンを搔い潜り、接近戦を仕掛けてくる。

 途中、匡直の動きが何かに似ていると感じ、ハンドの動作かと気づいた。その動きを何倍速かし、更に増幅させたものがきっとベースなのだ。

 じっとして的を捉えようとするばかりだと寒いのもあって、水を補充する以外は恭もウォーターガンを手に駆けずり倒し、小一時間後に音をあげた。

「待った、ちょっと休憩させてくれ」

 両手を上げて駐車場のアスファルトに寝転がると、匡直も来て腰を下ろした。冷え切ったアスファルトに水の匂いが妙に気持ちいい。

「けっこう騒いだのに静かだな 」

 夢中になって(主に、自分が)周囲のことなど忘れていた。

 慌てて半身を起こし、建物の方を見るが、別段変わった様子はない 。

「 !」

「どうした」

 恭はしっかり起き上がると、建物との間を隔てる木々に目を凝らした。見上げた雑木の隙間に一瞬、光がチラついた気がしたのだ。

「 見えたか?」

 また一瞬、僅かな光が闇を刺した。

「…多分」

(岸崎ってあんま目がよくないとか?)

 匡直の返答は頼りないが、恭の目には今度は確実に見えた。

「隠れよう」

 立ち上がりながら脇のウォーターガンを摑み、音を殺して走りポリ缶とペットを拾う。自転車に走った匡直は2台を両腕に抱えて続いた。駐車場から道路に出る。間にある繁みが視界を遮ってくれるので、そこでじっとしていると、暫くしてライトの明かりと靴音が聞こえた。

 そういえばアスファルトには水が飛び散っている。

 やはり不審に思ったのだろう、ジャージ姿の男性が辺りを慎重に照らす。

 ガシャン 。

「誰かいるのか」

 ライトがこちらを向く。

 自転車をガードレールにぶつけてしまったのは匡直だった。恭の両手が塞がっていたので匡直が2台を支えていたのだが、何の拍子か一方を離してしまった。

 ライトと靴音が近づいてくる。手分けして前カゴと段ボールにペットなどを放り込み、ポリ缶は片手に自転車に飛び乗ると、2人は全速力で坂道を下り始めた。

「追って来てないよな⁉」

 上りは何だったんだという速度で坂を下りながら恭は背後を振り返った。

「無理だろ、けど悪かった、あそこはもうダメだな」

 まさかの失態にさすがに気落ちしているのか、返す声に張りがない。なぜ手を離してしまったのか聞こうと思っていたが、責める風に取られたくなく恭は止した。

 あっという間に国道沿いに出ると漸く人心地がついた。

 追手の心配はなさそうなので荷物を積み直し、話が出来るよう並んで走りながらダラダラとペダルを漕ぐ。時間を見るとあと少しで午前3時だった。 

「…ペットが1本足りない」

「しゃーないよ1本くらい、水しか入ってないんだし平気だろ」

 持って逃げたと思ったがどこかで落としたかしたのだろう。

 国道の周囲は田んぼや何かの作業所、倉庫ばかりで遠くにある筈の民家の明かりも今は見えず、まばらに行き交う車のライトに時折照らされるのみだった。

「 どっか学校にでも忍び込もうか、そういや爪どうなってるかな」

 手を月明かりに翳してみるが、はっきりとは分からない。

「 あれ人か?」

 今度は先に匡直が気づいた。ここからまだ先の歩道橋の真ん中辺り、やけに高い欄干の上に、猿の置き物のようなものが乗っかっているのが見えた。もう少し近づくとその高さは転落防止のためか、本来の欄干を覆うように背の高い金網フェンスが取り付けてあるからだと分かる。

 それをよじ登ったか、猿のように屈んで摑まっているのは、これも近づくにつれどう考えても人であるとはっきり分かった。柵だが、少女とは意図が違う。だがマズい状況なのは同様だった。

 前に漕ぎ出た匡直が聞いてくる。

「どうする」

 匡直の超人ぶりはもう散々見ている、恭は迷わなかった。

「頼む」

 さも゛強制力゛に繋がるのではないか、体から湧き起こった感覚を、不意に恭は自覚した。

 匡直は深く息を吸い込むと「ついて来いよ」と言うなりペダルを思い切り踏み込んだ 。

 車を凌ぐ速さで自転車は歩道橋目がけて疾走する。スロープがあったのだろう、減速もせず直角のカーブ切り、歩道橋の急斜面を滑らかに漕ぎ上がる。

 必死でその後を追いながら恭はフェンス上の人物に目を遣る。背中を向けているので自分たちには気づいてない。片足を跨いだ状態で縁を握り締め、不安定なフェンスの上で辛うじてバランスを保っているように見えた。

(正しいフェンスの取り扱い方くらい学んどけ)

 恭は声に出さずに悪態吐く。あれは子どもだ。中坊くらいか。

 急にフェンスが揺れたのか、その体が1度揺れ、2度揺らめき、3度目にぐらりと道路側にバランスを崩す。

「匡直‼」

 追いついた恭が歩道橋の下で急ブレーキを掛けて止まる。

 走る自転車のサドルに足を乗せ、踏み切った匡直の姿がフェンスの上にフワリと浮き上がるのと、少年が完全に手を離したのとがほぼ同時だった。匡直はあっさり落下直前の少年を捉えると、ちょうど真下を通り過ぎようとしていた中型トラックのからの荷台の縁を蹴り、植え込みを擦って少年を抱えたまま恭の前に倒れ込むように滑り込んだ。

「大丈夫かっ」

 自転車を放り出し、恭は2人に駆け寄った。荷台を蹴られたトラックは気づく様子もなく走り去っている。

「ああ、服が擦り切れたくらいだ」

 厚着が幸いして少年の方も特に怪我をした様子はないが、声を掛けるこちらの言葉は耳に届いてないようだった。

「おいお前、あんなとこで何してた、危ないだろ」

 肩を揺すり、匡直が少年に詰問する。揺すぶられ我に返ったのか、少年の視線は正面にいる匡直を捉え、それから立っている恭を見て、その後ろに倒れたままの自転車を目にした途端、その体はバネ仕掛けばりに跳ね上がった。

「あっ!」

「待ててめえっ」

 その勢いままに飛び出し恭の自転車に飛びつくと、少年はそれに乗り一目散に逃げ去っていった。







 


 




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