障害物の命

構内の人いきれ、ごった返す命は障害物とさして違いはない

それらを躱しながら歩く僕だって誰かの障害物に違いない

家族連れ 老人 手を繋ぐ男女

休日出勤のサラリーマンと部活帰りの高校生

全ての人々が違う目的で、同じ電車に乗ろうとしている

交差する生 平行する命

交わらなければ個人の命など取るに足らない

僕がホームに飛び込み命を落とせば

人混みに悪態が飛び交う

それは僕自身に向けられるものではない

ただ前方の障害物に向けられたもの



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