眠っていたい。

星を見ていたい。

夢を見続けたい。

だから僕は夜が好きだ。

夏の夜が好きだ。

夜の海が好きだ。

夕日が水平線に沈んでゆくのを見ていたい。

晴れた日の夕焼け空は虹色に輝いている。

陽が殆ど海に入る頃には、

空は濃紺に染められている。

その向こうに月と星が燦めいている。

星座には詳しくない。

綺麗だと感じることに知識はいらない。

星以外の光はない。

僕はまるで宇宙に揺蕩っているかのようだ。

やがて東の山の尾根から、

朝の陽が姿を見せる。

夜明けだ。

混沌とした夜が暮れる。

光で律せられた昼が明ける。

夢現は引き裂かれた。

現実に目を覚ます。

僕には少し眩しすぎる。


電気を消して。

もう寝るから。

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