第3話 勇者の処遇




「さて、どういうつもりか説明してくれるかいマリア」


 王城の会議室には現在、宰相ルーカス=アスマンを初めとした閣僚達、第一王子のエーリッヒ=ヨーン=ブランシュ、近衛騎士団長のゲルト=ベルツ、ドナウ王国軍総司令官オリバー=ツヴァイク、そしてテーブルの上座には国王たるカリウス=オットー=ブランシュが座っている。

 その場の唯一の女性であるマリア=クラウス=ブランシュは自らを場違いと思いながらも気丈に振る舞っていた。



「あのような危険な場に身を晒した事は軽率であったと認めます。ですが、レオーネ様をこの国に留めておく必要があったと、その場で思い至り引き止めました。これはこの国を思っての事です。あの方は、あのままではこの国を去っていたと思います。そうなれば取り返しのつかない事になると私は思います」


「それで勇者などと、あの場で出まかせを口にしたのか。確かに彼は、我々とは異なる文化圏の人間に見える。好奇心を揺さぶる存在ではあるが、勇者と決めつけるのは早すぎると思うよ」


 エーリッヒ王子の追及はそれほど強いものではない。妹という事を差し引いても、随分と穏やかなものだ。本人もレオーネに対する好奇心が抑えられないのだ。それはそれとして危険な行動を起こした妹へ、兄として叱らなければならない。


「そもそもマリア殿下は何を思って、その青年を勇者と断じたのでございますか?私はその場所に居合わせなかったので、人伝にしか今回の騒動を把握していないのです。それは陛下も同じ考えであると、おっしゃられてております」




 騒動の時、執務室で書類に埋もれていた宰相と、玉座にいた国王は直接、レオーネを見ていない。他にも当時城内におらず、急遽会議に呼び出された閣僚達もあまり状況を把握しているとは言い難い。


「直接交渉にあたったベッカー殿はどうお考えですか?その勇者と言いますか、青年はどのような人物に思えました?」


「そうですな、交渉に失敗した身ではございますが、油断ならぬ青年と見受けました。冷静であり、観察眼に優れ、教養もある。本人の談ですが、軍の将校を務めていたと聞いております。確か、騎兵大隊の副隊長だと言っておりましたな。見た目通りならば、まだ20歳程度でそれなりに高い地位にある。なにより、他者を気遣う精神を持ち合わせておりました」


「ですが、平民と聞きましたぞ。出まかせでは無いと言い切れるのですか?」




 この国に限らず、平民の価値は一様に低い。貴族からすれば、ろくに教養も無くただ尊い身分の者に伏すだけの、下等な生き物でしかない。


「それは騎士団長である私が、補足させていただきます。私もベッカー老の隣でレオーネ殿を観察しておりました。まず、立ち振る舞いから高度な軍事教練を受けた者というのは疑いようがありません。さらに彼は数種類の言語を操っている可能性があります。ベッカー老と交渉中に、かなり発音の異なる言語を複数使い分けて、神術の効果を確かめているようでした。異郷の地で大勢の騎士に囲まれても冷静に対応している所を見ると、部隊の副指揮官と言うのも嘘ではないでしょう。平民と言って油断はなりません。警戒に値する者です」


「なるほど、ベルツ団長がそこまで言うならば、是非とも私も会ってみたいものだ」


 疲れた顔の中年男が、嬉しそうに話す。軍の総司令ツヴァイクだ。何となく軍服が似合わない気がする。


「勇者と認定するには早すぎるけど、ただの平民として扱うのは不適当と言うんだね。一応、貴族用の寝室を用意しておいたから失礼にはなってないだろうけど、宙ぶらりんにして良い問題でもないね。個人的な疑問だけど、そもそも何をもって勇者と呼ぶのだろう?彼はマリアの言葉を受け入れて、客分に収まっているけど、自らを勇者だと思っているのかな?僕にはそう思えないけど」




 ここで家臣や子供の議論をただ見ていた国王が、ようやく口を開く。


「マリアよ、お前はその青年の何を見て、聞いて勇者だと判断したのだ?いつもお前が神や始祖フィルモに祈りを捧げているのは知っている。始祖フィルモの伝説のように異界の勇者が、たまたま祈りを捧げていた時にやって来たので、勇者だと思ったとは言わんよな?」


「い、いえそのような軽い考えではありません。ただ、ホランド王国に対する大きな力になるのではと思い、どうにか引き止めたかったのです。レオーネ様の服装も、あの大きな物も我が国にはありません。ホランドにもあると思えません。そこまで深く考えていたわけでは無いのですが、何か価値のある物に見えたので……」


「力か…ミハエル、その男から何か聞いていないか?」


 神術により唯一、言葉の分かるミハエル=ベッカーに視線が集まる。


「あまり詳しくは聞いておりませんが、あの大きな物体は乗り物だと聞いております。それも兵器で、知識の無い者が触れると、おびただしい数の死人が出ると警告されました。現在、安置されている礼拝堂は立ち入り禁止にしてあります」


「異郷の兵器か、彼はあの中から出てきた。彼の国の騎兵はあれに乗り込んで戦うのだろうね。どう戦うかは知らないけど、あの大きさの物を自在に操れたら、ホランドの騎竜兵はさぞや慌てふためくだろうね」




 エーリッヒは騎竜兵をなぎ倒す場面を想像して、愉快そうに笑う。そんな光景を生み出せるのなら、それこそ勇者と呼ぶにふさわしいではないか。


「では、その平民に戦わせてみますか?いきなりホランドにぶつけるわけにはいきませんが、模擬戦でもさせてみては」


「それでは軍に被害が出てしまう。兵器だとしたら模擬戦でも死人が出かねん。今は一人でも多くの兵が必要なのですよ」


「ですが、ただ物珍しいと言う理由で勇者と讃えるのは、皆が納得いかぬと口にします。目に見える確証は必要なのです」


「だからと言って軍に標的になれというのかね?」


 段々と閣僚や将軍の議論に熱が入ってくる。彼らにとってもレオーネの処遇の決定は初めての経験であり、基準となる慣例が役に立たないのだ。

 異国の人間、平民であっても社会的地位があり、未確認ながら複数の言語を操る教養。あまり粗雑に扱うと、恨みを買って何をするか分からない。何せ、自分たちの常識では測りようのない兵器が城内に置かれているのだ。迂闊に手を出せば、言葉通り死人が出る可能性がある。



 いつまでも続く答えの出ない議論は王の咳払いで、ピタリと止まった。


「皆の意見はおよそ分かった。アラタ・レオーネの処遇は一日で結論を出せる問題ではない。ここは情報が出そろうまで一時棚上げとする。それまでは王家の客分として扱う」


 王の言う通りだった。まだあの男がやって来て一日も経っていないのだ。まだ結論を出すには早すぎる。 

 前例の無い事態に浮足立っていたが王の一言で皆、冷静さを取り戻した。であればこれから我々のすべき事は、


「では私がレオーネ殿の世話役を務めます。会話が成り立つのは現状私だけですから」


「そうだな、ミハエル。お前に任せる。彼の者の希望は叶えられるものは叶えてやれ。何を要求するかで、その者の資質や器が推し量れる」


「これで女や酒を所望するなら楽なのですが。適当に欲を満たせてやれば、こちらの言う事を容易く聞いてくれるでしょうから」


「ここでそれを言ってはなりませんぞ。なにせマリア殿下がいらっしゃるのですから。ただ、懐柔は有効な手段ですな。まずは彼の警戒心を解かねばなりません」



 元よりこの場にいるのは一国を動かす重鎮なのだ。冷静さを取り戻せば全員が有能と呼べる者達は、活発に今後を話し合う。


「私も彼と交流を持ってみようかな。年も近いようだし、異郷の文化にも大いに興味がある。異郷の政治形態も聞いてみたい」


 エーリッヒもレオーネには興味を持っていた。彼個人にも興味はあるが、それ以上に異なる文明に根差した風習や政治形態、軍事技術など得られるものは多いはずだ。


「アラタ・レオーネについては友好的関係を築くことで皆の意見は一致したようだな。ではおのおの役目を果たすがいい」




 王の言葉を皮切りに、次々と席を立ち退室していく重鎮達。最後に残っていたのは、王家の三人だけだ。

 最初に口を開いたのはマリアだった。


「あの、ありがとうございますお父様。これであの方を繋ぎとめることが出来ました」


「お前は幼い頃から向こう見ずで無駄に行動力があるからな。最近は落ち着いていると思っていたが、そうそう直りはしないか」


「そうですね、父上。マリアは昔からお転婆だった。小さい頃はいつもあちこち出歩いては、ドレスを汚していたし。けどあんな事はこれっきりにしてくれ。レオーネが理性的だから良かったものの、人質になっていた可能性だってあるんだよ」


 会議では王と王子、それに王女という立場があったが、今の三人はただの仲の良い親子でしかない。娘や妹の身を案じる、優しい家族だ。



 それをマリアも身に染みて理解している。ゆえに二人に頭を下げる。


「暫くはミハエルに世話をさせて様子を見る。この国の言葉も教えて、情報を引き出したい。それがホランドへの有効な手札になれば勇者として遇することも考える。場合によっては領地も与え、貴族として取り込む事を考慮しよう」


 それはこの国どころか、西側諸国にとっても異例の待遇と言える。平民、それも他国人を貴族に列するなど前代未聞だ。

 尤もホランド王国に併合されれば国は無くなるのだから、空手形を切っているに等しい事を除けばだが。

 そんな生臭い話を楽しみながらも、マリア以外は政務があるという事で会議室を後にした。残されたマリアも自身に何か出来る事は無いか探しに、部屋を出る。

 祖国の未来に明るさが戻る事を信じて、マリアは歩き出した。



     □□□□□□□□□



 会議を終えた騎士団長のゲルトは、城の近衛騎士団の詰め所に戻る。訓練所も併設されており、奥には専用の執務室もある。

 執務室には20歳程度の若い騎士が、小さな机で報告書をしたためている。机はもう一つあり、彼の机とは比較にならないほど豪華な設えの机だ。椅子も机と同じぐらい贅を凝らした作りで、その椅子にゲルトが疲れた様子で座る。


「戻られましたか、父上。会議はどうでした?噂の勇者の処遇は」


「ウォラフ、いつも言っているだろう。騎士団内では親子ではなく上司と部下、例え人が居なくてもだ。お前なら言わずとも分かるだろう?予想通りの展開という所だ」


「では、取り敢えず保留。情報を集めるのが先、そういう結論ですか」


 まるで会議に出席してきたかのように、内容を当ててしまった。ベルツはそんな息子を不満げに見る。


「お前は私以上に頭が回るのに、野心がまるで無いのが唯一の不満だよ。それさえ無ければ、多少強引でもマリア殿下と婚姻させる腹積もりだったんだぞ」


「それは過ぎた事だと以前話したはずですよ。それに私は、あのお転婆娘に昔ずいぶんと手を焼かされたのですよ。殿下が妻になったら、ひと時も安らかに眠れません。私はエヴァが妻で心底良かったと思ってますよ。

 その話は置いておいて報告します。礼拝堂の人除けは既に終わっています。例の物体の周りに簡易ですが柵を作って、天幕を使って見えない囲いにしておきましたし、破壊された壁の外側も同様です。今は騎士団の数名が見張りをしていますので、私もこれからそれに加わります」


「わかった、ご苦労。それからかの者は現状、勇者とは認めないそうだ。暫くは情報を聞き出す為に王家の客人として逗留してもらう事になった。今はまだベッカー老ぐらいしか会話が成り立たないから、こちらから接触は控える」


「では現状、騎士団は護衛と言う名の監視ぐらいしかやる事はありませんね。話が通じれば私もその客人と仲良くなろうと思っていたのですが」


 残念だなー、そう言って肩を落とす。この仕草が大げさな振りではなく、心から思っているのだから、始末が悪い。ゲルトは心の中で悪態をつく。

 目の前の息子が誰とでも仲良くなる天性の楽天家なのは父親のゲルトが一番よく知っている。それでいて自分以上に知恵が回るのだから、これで野心があればと、何度嘆いた事か。人望もあり、このまま何事もなく時が経てば、息子が次の騎士団長になるのを誰も反対しないほどだ。


「この国の言葉の習得にはそれほど掛からないと見ている。元より多言語を操っている可能性があるからな。お前の出番もそんなに先ではないぞ。彼とは仲良くしておいた方が得になるだろう。年もお前と同じぐらい、兵としても同程度の強さとみている」


「それはまた興味が沸きますね。ではその時を楽しみにしています。それでは私は礼拝堂の警護にあたります」


「うむ、気を付けるんだぞ。客人の忠告通り、気になっても絶対に触れてはならん」


 わかってますって、そう言いながら執務室から退出した。

 執務室に一人残ったベルツは、これからの動きに思いを馳せる。故国の苦難をどうやって切り抜けるか、あの青年がどう関わるのか、騎士団はどうするのか、自分はどう動くかを考え続けた。自らの家を、息子の未来を第一に考えながら。



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 ドナウ王国の首脳部が己の処遇を話し合っているのは、予想していた。ドーラにこの王城の中の会話を全て拾わせて、翻訳サンプルに使っている。未だ完全ではないが、断片的な単語は翻訳できている。

 どうやら俺の処遇で意見が飛び交っているらしい。取り敢えず排除する意志は無いようだが、利用する気は旺盛だ。そうでなければこの部屋は与えられていない。



 石造りの広い部屋。贅を凝らした調度品の数々に、天蓋付きの大人三人は楽に横になれる豪華なベッド。水差し一つ取っても、ここが貴族用の部屋であることは容易に想像できる。

 ベッドに身体を投げ出している様子は、他人が見れば休んでいるように見えるが、内情はV-3Eの観測機器を使用しての情報収集をしている。金属製品一つを調べても金属含有物の成分から、その文明の高さが把握できる。金属加工には相応の技術が要求されるからだ。

 ガラス製品など見受けられるが、窓ガラスはかなり分厚い。強度の確保と言うより、技術的にこうした分厚いガラスしか作れないのだろう。天井には照明の類もあるわけがなく、石壁に鉄製の台座が引っ掛けられている。恐らくあそこに蝋燭でも備えるのだろう。蝋燭など施設にいた頃にクリスマスや復活祭で使用したぐらいだ。そう言えばハロウィンでも使ったなあ、と思いだす。



 人工繊維ではない天然素材の繊維で織りこまれたシーツには違和感がある。頭以外はドライバースーツで肌を覆っているので、まだ気にならないのだが、未だスーツを脱ぐわけにはいかない。替えが無いのもあるが、まだ風土病の抗体が出来ていない。可能な限り肌の露出は避けるべきだ。

 体内のナノマシンが大抵の病気を排除してくれるが、完全ではない。本来ならしばらく機体の中で過ごしてから、調査の為に外に出るのが望ましいのだが、早まったかと判断に悩む。

 一日程度で病原体の調査や抗体作成は終わるので、今は待つべきだ。身体を休めつつ情報収集に努め、それから――――



 それからどうするのだ?本国の救援を待つのは無い。既に決死隊に参加した以上、戦死扱いだ。よしんば生きて戻ったところで居場所など無い。仮にここから救難信号を出して、それを本国が受け取って戻っても、貴重な経験を積んだサンプルとして、技術者連中に弄ばれるのが関の山だ。良くて一生軟禁、最悪生きたまま標本だ。



 この国に留まって、客としてダラダラ生きる?それでは心が沸き立たない。ライブと戦う事を生きる理由となっていたが、ライブ中枢を破壊した今、人類の競争相手から脱落している。それは人類にとって喜ばしいが、俺にとっては生きる目標が喪失したことになる。



 この国を去って、この星を旅する。―――悪くない。この国以外にも、この星には多くの国がある。地球とは異なる文明を見聞するのは多少なりとも刺激を受けるだろう。

 それにはまず、この国の言葉を覚え、周辺国の情報を調べ上げ、さらに遠方の土地の情報も欲しい。情報管制型電子戦機であるV-3Eでも惑星全ての情報を解析する能力は無い。精々、この国とその周辺国の地形データや人口分布、採掘できる資源など大雑把なデータぐらいなものだ。この城と、城下町ぐらいなら一人一人にマーキングして追跡するのは楽勝だが、ライブの巣内や宇宙空間での索敵とは勝手が違う。



 ある程度手に入れた情報から推測するに、この国及び文明は中世のヨーロッパ程度の文明の高さと言った所か。城内の衛兵らや騎士たちは火薬兵器を携帯していない。皆、剣や槍と言った近接装備だ。武器庫にも弓矢は置かれているが、火薬の類は確認できなかった。

 さらに、馬や牛の類が見当たらない。代わりに爬虫類と鳥類の中間のような大型の生物を家畜化して利用している。ダチョウぐらいの大きさのトカゲのような風貌の二足歩行する生き物に騎乗して戦うようだ。

 他にもトリケラトプスのような大型種に荷車を曳かせていたり、少数ながら太古の恐竜の翼竜に似たような大型飛行種も確認できる。



 まるで映画の世界か、ファンタジーに迷い込んだかのような錯覚を覚えてしまう。部屋の隅の花瓶に生けられた花も見覚えの無い種だ。名前などは分からないが、花を愛でる文化や感性が共通すると言うのも妙な話である。

 テーブルには軽食や酒類が置かれており、食べて良いのだろう。機体に繋がっている間は自動で栄養や水分を補給してくれるが、降りた以上自力でカロリー摂取を行う必要がある。



 ベッドから起き上がり、焼き菓子らしき物を一つ摘む。ドライフルーツらしきものが上に乗っており、噛むと甘い汁が口に広がる。どうやらこの世界の人間の味覚は、地球人類とそこまで変わらないらしい。菓子自体は穀物が使われているのだろう。焼けた表面が茶色に変色している。

 酒を杯に注いでみると、赤い液体が入っている。果実酒なのだろうか?葡萄のような匂いだが、試しに飲む。口に甘味、酸味、苦みが広がり、アルコール特有の味もする。酒の良さは分からないが、不味いとは思わなかった。

 騎兵として対G性能を強化するため、内臓をかなり強化されており、肝機能も相応に強化され酒に酔うという事は無いが、嗜む習慣もなかった。



 取り敢えず、身体に害は無いと判断し、放置する。毒の類はある程度ナノマシンで分解できる、病気も現状性質の悪い伝染病の類は確認されていない。後は衛生状況の確認と言った所か。

 観測機器の情報では、上下水道を確認している。この城も水車によって川の水をある程度の階までくみ上げている。衛生状態はある程度良いらしい。

 地球の中世ヨーロッパの衛生事情は相当酷かったと聞くが、ここはそんな事はないようだ。あまり酷ければ嗅覚を遮断することも考えていたが、この分ならば問題なさそうだ。


(ドーラ、俺は少し休む。後は任せていいな)


(はいレオーネ大尉、あなたは生身なのです。機械でしかない私は疲労とは無縁です、後は任せてください)


 こういう時、ドーラのような純正の機械が羨ましくなる。ドーラに任せ、眠ることにする。

 決死作戦に参加して再び眠ることが出来るのは幸福なのだろうか?それとも死に場所を失ったと嘆くべきだろうか?答えは出ない。



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