第59話 EとFの戯言④
E「ほら、言われたもん、買ってきたぞ」
F「ああ、ありがとう」
E「あんた、いつも紅茶飲んでるよな」
F「そうだな」
E「いつも同じメーカーの飲んでるし、こだわりでもあんの?」
F「まあ、ペットボトルでは一番旨いと言うだけだが」
E「やっぱ、茶葉から入れた方が旨いの?」
F「比べるまでもない」
E「ふーん」
F「自分で言うのも何だが、私の入れる紅茶は旨いぞ」
E「俺、自分で紅茶とか入れたことないだけど、結構難しいじゃねぇの?」
F「ああ。だが、いくつかのコツを掴めば、誰でも旨い紅茶を入れられる」
E「おお、ドヤ顔……」
F「まずは、やかんでお湯を沸かす。沸騰しても、その後三分は火にかけ続けるのが大切だ」
E「細かいな」
F「次に、前もって冷蔵庫に入れておいたカップとポッドを用意する。よく冷えたポッドに、茶葉を入れる」
E「茶葉はどれくらいだ?」
F「とにかく多ければ多いほど良い。一杯百グラムが最低限だ」
E「はー、なんかリッチだな」
F「次に、ポッドにお湯を注ぐ。この時、蓋を決してしてはいけない」
E「ふんふん」
F「そして、茶葉を蒸らしている間、チャチャを踊る」
E「ん?」
F「最後に、そのままカップに紅茶を注げば完成だ」
E「おい、ちょっと待て」
F「ああ、もちろん、紅茶を注ぐ際に茶こしを使うという方法もあるが、真の通は茶葉をそのまま一緒に飲むものである」
E「いや、さっきのチャチャって何だよ」
F「……よくぞ気付いたな」
E「普通に分かるって」
F「あと、五か所のでたらめがある。それがどこだか分かるかな?」
E「おいふざけるな」
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