迷った理由

「ん・・・」


目が覚めると、見覚えのない天井が見えた。此処、何処だろう。

体を起こして周囲を見ると、さっき助けてくれたお姉ちゃんたちが居た。

此処はお姉ちゃんたちのお家なのかな。


窓の外を見ると、まだお外は真っ暗だった。皆寝てるから、起こしちゃ悪いよね。

寝ぼけた頭で考えているとお腹が鳴った。


「あう」


恥ずかしいけど、皆寝てるから聞いて無いよね?


「軽食でもお作りしましょうか?」

「ひゃう!?」


背後から声がして、変な声が出た。


「皆さんお眠りになられていますので、こちらに」


驚く私に、大きなお姉ちゃんは隣の部屋に行くように促してくる。

助けて貰った時は見てる余裕なんてなかったけど、このお姉ちゃんとっても綺麗。

身長高くて、足も長くて、モデルさんみたい。

あ、そういえば私、お礼言ってない。


「えっと、あの、助けてくれてありがとうございます」

「いえ、助けられて良かった。こちらこそ、ありがとうございます」


お姉ちゃんはお礼を言う私に、なんでか解らないけどありがとうと言った。

お礼を言うのは私なのに。


「座って待っていて下さい。すぐ、作りますから」


お姉ちゃんはそう言って、別の部屋に行った。

大きな音じゃないけど板にリズムを刻むような音が聞こえるから、台所に行ったのかな。

何だか待ってるのも悪い気がする。良いのかな、助けて貰った上にお世話になって。


・・・助けて貰えなかったらどうなってたんだろう

あの森から出れてよかった。私が方向音痴なのか、どれだけ歩いても森から出れなかった。


「はい、簡単な炒め物と、スープしかありませんが、どうぞ」


ぽやっとしている間に、お姉ちゃんは食事を持って来てくれていた。

温かいスープと、お肉と野菜の炒め物。とっても美味しそう。


「えっと、良いの?」

「ええ、どうぞ」


ふあぁ、このお姉ちゃん、笑うとすっごく美人。綺麗な金髪がとっても素敵。

感動する私の心とは反対に、お腹がすいた、早く食べろとお腹を鳴らして体が文句を言う。


「あ、あう」

「ふふ、さあ、冷めないうちにどうぞ」


あう、笑われちゃった。恥ずかしがりながら私は食事の前のお祈りをして、食事を口につける。

美味しい。とっても美味しい。お姉ちゃん、お料理上手なんだ。綺麗で料理が上手で凄い。


「おいしい!」

「ありがとうございます」


素直に感想を言うと、お礼を言うお姉ちゃん。

このお姉ちゃん、不思議なところでお礼をいう人だ。


「そうだ、貴女の名前を聞いてもよろしいですか? 私の名前はエルフリーデと言います。エルとお呼びください」

「あ、はい。私はミャナリ・エニラルです」

「ミャナリさんですね。教えて頂きありがとうございます」


エルお姉ちゃん。

よし覚えた。


「ミャナリさんは、なぜあの森に?」

「えっと、私学校の長期のお休みで、お家に帰る途中だったんです。森の横の道路を走る車に乗ってたの。そしたら車が転倒して、気が付いたら森の中で一人で、誰も居なくて・・・」

「・・・誰も?」

「うん。歩いても歩いても外に出れないし、私どうしたら良いのか解らなくなって。あの森、この辺では入ったら出れないって有名だったから、私もう助からないんだって思った」

「なるほど・・・」


私の言葉にエルお姉ちゃんは考えるそぶりを見せる。

そういえば、エルお姉ちゃん達は何であの森に居たんだろう。

近所の人なら絶対入らない森なのに。


「ミャナリさん、もう大丈夫ですからね。ちゃんと、貴女は送り届けますから」

「・・・ありがとう」


優しい笑みで言うエルお姉ちゃんの言葉が嬉しくて、少し涙が出た。

本当に怖かった。このままあの森の中で死ぬんだって思った。

お父さんとお母さんに、二度と会えないと思った。


今になって本当に助かったんだって、実感がわいてきた。

お父さんもお母さんもきっと心配してる。早く安心させてあげたいな。

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