第三夜 もしも時間が戻せたら
こんな夢を見た。
私は裁判員の一人として、無数のカメラを前に苦しい胸の内を明かした。
……幼くして摘まれてしまった児童の命と未来ある加害少年の更正の可能性、そして社会に多大な影響をもたらした彼の犯した最悪な結果と今後の人生を掛けて購うと約束している少年の反省の念とを秤にかけて、私は…いえ私達は非常に悩み抜きました。私にも亡くなった男の子と同じくらいの子どもがいるので、遺族の方々のお気持ちも痛いほどよく解ります。我々一人一人が苦悩し、葛藤して、ようやく判決を導き出しました。それが正しいのかどうか私自身かなり迷って……
テレビの向こう側から、遺族の怒声が聴こえてくる気がした。
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