第283話 ローベルさん、余裕の印税生活




らら~♪





朝、遅めの出勤

裏通りを通ったら、ローベルさんにはち合う。

く、いつも会わない道を通るように心がけているのに先回りされている気がする。

自意識過剰かもしれんが


「あらあら、ウツロさんじゃないですか」



「・・・」



「むむ、その顔・・・毎日、稼ぎが少なそうだけど大丈夫なんだろうかって顔してますね」




まぁ私は おばあちゃんみたいに

『レベルアップ祈祷師』一本で食べてる訳ではありませんので



「私の副業の事、聞きたいですか?」



「興味ない」



と言っているにも関わらずベラベラと話し始めるローベル


「ああ、自分の多才が恐ろしい」


リムガントで小説家として作品を持ち込んだら

書籍化されて大ヒットして今では印税生活でがっぽりらしい。


(嘘くさい)




タイトルは『SSR彼女とN男』




ちょっと頭がすっぽ抜けているけどスタイル抜群美人明るくて、あらゆる属性の魔法が使えるSSR彼女と

魔力が少ないっていって自己否定に浸っている痛い男のラブコメディなんで・・・



「・・・」



「あ、これあくまで架空の物語の話ですけど」



その男がまた

彼女の方はベットにまで潜りこんで積極アピールしてるのに

同衾までして手を出さない、へたれ野郎なんですよw





「おい、それ、モデル居るだろ」





「・・・え、居ませんよ?」

真顔ですっとぼけるローベル




(嘘つけ)




その小説、なんならウツロも持っている。

いやに共感できる内容だったが、

そういうことだったか・・・




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