第242話 スクールカースト最下辺




※240話ウツロ視点の夢





この世は残酷だ。




このクラスティア魔法学校において

大切なのは家柄と何より『魔力』だ。

あいにく俺はそのどちらも持ち合わせていない。

まぁ、魔力差別に関しては、生まれ故郷よりは幾分マシなんだが


クラスの底辺、

誰も俺に話しかけようとしないし。

休み時間は、ずっと伏して寝るようにしている。

くすくすと俺を蔑む声が耳障りだが、もう慣れっこになってしまった。



だが、それでいい。

このまま世界の底辺として、

地の底を這いずり回るのだ。





「ウツロ君、お昼一緒に食べませんか?」





「は?」


綺麗な髪、大きな目の女子が俺の顔を覗き込んでいる。

誰・・・あ、この子、アクアローナ様の直弟子のミラージュって奴だったか

Sクラスでお化け魔力の優等生



(きゃー恥ずかしい)



いやいやいや、

どうして俺に話しかけてくるんだこの子



ほら、クラスの連中動揺してるから、

どよどよしてるから



金目当て?

トウカゲちゃんにお小遣いもらってるけど、

金目の物なんて持っていないし



「お・・・俺なんかと、話さない方が・・いい」



声がちょっと裏返ってドモってる・・・



ああああ、

帰りたい、今すぐに帰りたい



平静を装っているが

膝がガクガクしていた。




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