第240話 制服ミラはおしかける




「おい、ウツロ、やめといた方がいいって」





魔法学校男子学生はウツロを止めようとする。

ウツロは聞く耳持たず、ずんずん歩く。




「ケーリー風紀委員長が『遅刻の減点を減らしてくれる』っていってたし、背に腹は代えられん」



「お前、もうちょっと朝早く起きる努力しろよ・・・」





相手はあの暴走族スカーレットの魅羅だぞ!!






$$$







暴走族スカーレット、

派手な装飾を施した地鳥を乗り回す、暴走集団


特にリーダー魅羅は

魔法学校始まって以来の問題児だった。




たまり場の廃建物にウツロは立つ。




「リーダー!お客さんですぜ」



げへへ




リーダー魅羅は顔を上げ、

その男子を一瞥する。




「・・・!?」





この男子・・・




私の中から何かが、溢れ出てくる。




顔が熱い、

心臓がばっくんばっくん言って止まらない。




はわわ


制服ヤバイ・・・


いつもの服も素敵だけど・・・


ちょっと不良っぽいこの着崩し・・・

ああ、良き良き、・・・ありがとうありがとう・・・




「・・・?・・・リーダーどうしました?」




「はっ!?」




落ち着け私

ここで醜態を晒したら、子分たちに示しがつかない




「さぁ、決闘だ」




ミラスロットー!!『スカ』の目

全然集中できてないものね、わかってた。




素早く距離を詰められて

関節技を極められる私



ああ、

こんなに強引に抱きしめられて

いい匂い、たまらない・・・



ふぐぐ・・・

ぐいぐい締まる関節




(ギブギブ、二重の意味で・・・)






$$$






って夢を見たんです。


唐突なそのセリフと共にウツロの部屋に押し掛けるミラ




「なので、この男子学生の制服着て下さい!」




(なので の意味がわからん)



ミラはミラで魔法学校の制服を着ている。

サイズが少し小さいのか ぱっつんぱっつん であった。


それ着て外歩いて来たのかよ・・・



「私もまだまだイケますねぇ」

くるりと一回転する。



(そっちの店のお姉さんにしか見えん)




「私の制服姿もじっくり見ていいですから、ね、おあいこでしょ?」




「その おあいこ は 傍若無人過ぎるだろ」


でも、ちょっと嬉しいと感じているのは、

表には出せなかった。




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