第225話【エレノールさん編】うずうずする絶槍エレナ




・・・





やがて、

黒い雲が空を覆い


ぽつぽつと降りだす雨



リグレットは、指定された位置まで、息を切らしながら、やっと到着する。




(ワーウルフ・・・死んでる)




頭から顔まで真っ赤に染まるウツロ

大量の血で血みどろだった。





「大丈夫?ウツロ君」




こちらに気づく。

満身創痍だ。



「・・・」



「はは・・・この程度・・・余裕・・・ですよ・・・リグレット先輩」




途切れ途切れに、

そう言って、気絶するウツロ




生きてる・・・傷もそんなに深くなさそうだ。



ふー




・・・




まだまだだね・・・ウツロ君




ちゃんと相手の力量を測って逃げることも必要だよ




なんて・・・



・・・




本当に・・・



エレナさんをこれ以上悲しませないでくれて・・・ありがとね




小雨のパラつく中、

リグレットは応急処置を始めるのだった。






$$$







リグレットは思い出す。



あの騒動の後、

各部署結構、怒られて

なんやかんやの内におさまり、次の騒ぎに追われていく。



ウツロ君は・・・

もっと褒められていいと思ったけど



「・・・」



(私の心の中では、「良い評価」ということで)



あの日を境にエレナさんは

「やっぱり私も・・・立って歩いて戦いたい」

と言い出した。

以前は、「皆に迷惑かけたくないから、そんなことは後回しでいい」と遠慮していたのにだ。




アクアローナ「どういう心境の変化です?」



「その・・・」



エレナ「うずうず するんです・・・」



エレナ「あの子を見ていると、自分も戦いたくて仕方なくなってくるというか・・・」





リグレットはため息をつく。




今日もエレナさんはリハビリ中だろうか

差し入れのお菓子は何にしようかな?






$$$






ミストクラノス下宿先にて

ウツロは、魔法の書を眺める。



++++++++++++++++

エレノール:いつもお疲れ様です、ウツロさん(^-^)

++++++++++++++++



エレノールさんって優しいな・・・


「・・・」


エレノールさんってどんな人なんだろうか・・・

悶々とする、ウツロだった。





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