第81話 愛は試練
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更新が遅くなって申し訳ありませんでした。m(_ _)m
一応、今後の展開を決定しましたので、更新を再開させて頂きます。
終幕までの残りはそれほど長くありませんが、今後とも宜しくお願い致します。
また、今話は少しアダルトです。m(_ _)m
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「......ソ......ウ......タ......」
「......ソウ......タ......」
何処からか俺の名を呼ぶ声が聞こえてくる。
それは聞き慣れた親しみのある声だ。
誰だっけ? 確か......
「ソウタ! いつまで寝てるのよ?」
ああ、ミイ......ミーシャルか......どうりで聞き慣れた声だと思った。
「てか、ミイ、なんでこんな所に居るんだ?」
「あ、また寝ぼけてるの?」
ミイはそう言うと、和やかな表情で俺の鼻先を指で
「えっ!? ここって何処だ?」
思わず訳が解らなくなって、ミイに問い掛けるのだが......彼女は笑顔のまま告げてきた。
「もう、最近のソウタって起きると必ずそれね」
いや、そう言われても、全く現状を理解できない。
確か、俺は精神試練に向かった筈だが......
その事を伝えると、彼女は和やかな表情を崩さずに身体を起す。
すると、ぽろり、ぽろりと二つの果実が俺の眼前に露出した。
あう......どうやら、ここはベッドの上であり、二人とも裸で横たわっているみたいだな。
俺は、彼女の形の良い胸を見た後に、自分の恰好を確かめて、そう理解した。
「ねえ、もう一回、いいでしょ? 寝起きに......ねえ~!」
「あ、ああ」
ミイの艶めかしい声に生返事をしつつも、周囲を確認する。
何故ならば、こういう時は必ず邪魔が入るからだ。
「うふふ、大丈夫よ。今日は私の番だから誰も邪魔になんて来ないわ」
ミイはそう言って、俺の頭を抱くようにして己の胸に押し付ける。
ああ、ミイの胸だ。柔らかい。
久しぶりのこの柔らかい感触が俺の心を揺さぶる。
そのまま、ミイの宝石の様な裸体に舌を這わす。
すると、彼女から喜びの声が漏れ、それが俺の心に火を点け、更に熱く彼女の事を愛してしまう。
そうして、心の求めるままに彼女と一つになり、果て無き愛情を分かち合う。
「ソウタ。とっても良かったわ。ソウタは最高よ」
俺の想いをミイの中に出しきると、彼女は優しく頬を撫でてそう言ってくる。
とても幸せな気分だ。そう、とても安らぐのだ。
そんな最高な気分に包まれて、俺は再び安らかな眠りに落ちて行く。
ああ、ミーシャル。俺のミーシャル。最高のエルフよ。
目を覚ますと、隣に美しい顔があった。
そう、女王然とした高貴な美しさを持った豪華な美女だ。
「あっ、エル」
その美しき女性の顔があまりにも近くにあった所為で、思わず隣で静かな寝息を立てているエルローシャの名前を呼んでしまう。
すると、彼女は長く綺麗な睫毛をゆっくりと上げた。
「おはよう。ソータ」
「ああ、おはよう」
嬉しそうな表情で朝の挨拶をしてくるエルに、周囲を見渡しながら答える。
そう、俺はミイと愛し合ってそのまま寝てしまった筈だ。
だが、目の前には、美しき妻がいる。
その事を訝しく思いながらも、エルに手を引かれて視線を戻す。
「なあ、ソータ。もう一回だけ......だめか?」
その物言いと相反して、恥じらいの浮かぶ表情が俺の心を揺さぶる。
更に、彼女は豊満ながらも張りのある胸を揺らしながら身体を起すと、俺に抱き付いてきた。
「ソータが欲しいんだ。だから......おねがい」
彼女にしおらしくお願いされて、俺の内に巣くう色欲がメラメラと起き上がる。
そんな俺に向かって、エルは顔を寄せてくると、熱い口づけをしてくる。
こうなると、もう誰も俺を止めることは叶わない。
今や色魔と化した俺は、彼女の胸に手を這わせ、唇から首筋、胸からお腹、更に下腹部に至るまで、全身を我物とする。
「エルローシャ。綺麗だ」
あまりの美しさに、思わずその感想を声にしてしまうと、彼女は恥じらうように身体を捩らせながら、甘い吐息を漏らしてくる。
「ソータ......もう我慢できないんだ。お願い......」
彼女にそう懇願されて、俺は彼女の身体へと入っていく。
すると、甘い吐息が更に激しくなり、俺の心を鷲掴みにする。
そのまま時が経つのを忘れて、只管に彼女の愛を堪能し、俺の愛を注ぐ。
いつしか、彼女の中が溢れんばかりの愛で満たされると、俺は気持ち良い疲れと共に眠りに落ちてしまった。
柔らかな感触で目を覚ますと、俺の上にマルカが身体を合わせるように乗り掛かっていた。
「お兄ぃ、おはよ。あっ、今は......あなた、おはよ」
彼女はこれまでの呼び方を止め、俺をあなたと呼び直す。
それの意味する処に思い至り、彼女を嫁にした事を思い出す。
「そうだな。俺達は夫婦になったんだよな」
「そうだよ。あ・な・た!」
まだ幼さの残るマルカの顔を見遣りながら、糞神との戦いに終止符を打った時ことを思い出す。
「カオル......」
「駄目だよ。思い出しちゃダメ」
そう、カオルは糞神との戦いで相打ちとなって、この世を去ったのだ。
俺はそれを思い出し、あの時の胸を締め付ける想いに再び
すると、マルカはゆっくりと顔を近づけると俺の頬を愛撫し始めた。
「あなたの涙はあたしが全て拭うよ。だから大丈夫。残ったみんなと一緒に幸せになるって決めたよね?」
「ああ、そうだったな。悪い。少し感傷的になっただけだ」
マルカの慰めにそう返すと、俺は優しく彼女を抱き締める。
その行動が嬉しかったのか、彼女はゆっくりと口づけを交わすと、小さな声でおねだりをしてきた。
「じゃ、ちょうだい」
それが何を意味しているかなんて、考える必要も無いだろう。
だから、俺はゆっくりと頷く。
それを見たマルカは、ゆっくりと俺の身体を触ると、自分の中へと押し込めて行く。
その感触で、点火された俺の心は留まるという言葉を忘れてしまう。
そんな俺の上で熱い吐息を漏らすマルカが必死に口づけを求めてくる。
そんな満ち足りた時間を過ごすうちに、俺はマルカに何度も愛を注ぐ事となる。
そうしているうちに、力尽きた俺とマルカは重なり合ったまま、幸せな眠りに落ちて行く。
柔らかな毛が俺の鼻を
しかし、当然ながら俺の尻尾では無い。
横たわった状態の俺は左手を動かし、その尻尾を撫でる。
「あ~ん、ダンニャ様~。起きたニャ~ね」
そう、可愛いニアの声で俺は覚醒する。
「ああ、おはよう。ところで、ニア、何を遣ってるんだ?」
「にゃ~んたって、今日はにゃ~の番だから、下準備をしてたニャ~よ」
実をいうと、尋ねてみたものの彼女が何をしていたかなんて、既に解っているのだ。
そう、彼女は俺の身体を愛撫していたのだ。それも下半身を重点的に......
「ああ、そういえば、今日はニアの番だったな」
「そうニャ~の。だから、旦那様の愛が欲しいニャ~よ」
彼女はそういうと、少し恥ずかしそうにしながらも、俺にお尻を向けてきた。
流石に獣人だけあって、愛の形はまさに交尾なのだ......
しかし、俺も嫌いでは無い。いや、かなり好きかも......
だから、気にする事無く後ろから彼女に襲いかかる。
「にゃ~ん! ダンニャ様~、激しいニャ~の」
「激しいのは嫌か?」
「そんなこと、無いニャ~よ。もっと激しくしてニャ~の」
俺の激しい愛に、ニアは身を
それは俺とニアにとっての最愛の時間であり、誰が獣と呼ぼうとも、否定しようとも、決して変える事のない愛の形なのだ。
そんな激しい時間を二人で分かち合い、彼女を俺の愛で満たすと、二人はベッドに大の字になって倒れ込む。
そう、俺とニアの愛の
「ダンニャ様~。嬉しいニャ~よ! それに、とっても気持ち良かったニャ~の」
彼女はそう言って俺の上に這い上がり、熱い口づけをしてくる。
ニアのそんな処が可愛くて、俺は強く抱きしめるのだが、そこで力果てて眠りに就いてしまう。
ああ、幸せだ。愛し愛される者達が過ごす幸せな時だ。俺はなんていい女達に囲まれたのだろうか。
意識が朦朧としながらも、俺はそんな事を考える。自分が幸せ者だと......
体に掛かる重さと、下半身の心地よさで目が覚める。
すると、そこには全裸のサクラがいた。いや、俺の上に乗っていた......いやいや、俺と既に合体していた......
本当に
サクラは俺の上で甘い吐息を漏らしながら、身体を動かしている。
「こら! サクラ!」
「あっ! 起きちゃった」
「起きるに決まってるだろ!」
「やっぱり~~!? てへっ」
この日本を感じさせる可愛い女は、年上であるのにも拘わらず、遣ることがお子ちゃまなのだ。でも、それを憎めないというか、可愛いと思ってしまうのだ。
だから、ちょっと意地悪をしてみる。
「ところで、サクラは何を遣ってるのかな?」
「あう~。そんな恥ずかしいことは言えないわ」
彼女は上気させていた顔を両手で覆い隠し、イヤヨイヤヨというように身体を揺さぶる。それに合わせて、エルに次ぐ大きな胸がゆっさゆっさと揺れている。
「サクラは朝から言えないような事を遣ってるのかな?」
「あう~。虐めないでよ~~」
とても恥ずかしそうにしているのだが、そこがまた良くて、更に虐めてしまう。
「ちゃんと言わないと、続きがなくなるぞ?」
「え~~~~っ! それはダメ! いう、いうから......」
やっと観念したようだ。さあ、これからが本番だぞ。
「よし、じゃ、言ってみろ」
「あう~。......××××......」
「ん? 聞こえないぞ?」
「セ○クスです! サクラは勝手にセ○クスしてました。ごめんなさい。だから意地悪しないで、続きをして......」
「よし、いいだろう」
いつものように羞恥プレーをしつつ、俺は全力で彼女に喜びを与える。
彼女は彼女で、それを最高とでも言うように受け入れてくれる。
そんな二人の恥じらいの一時を過ごし、何時ものようにベッドに転がる。
息絶え絶えとなりつつも、俺はふと思ったことを彼女に問い掛ける。
「なあ、サクラ、お前は日本に帰りたいか?」
すると、彼女は驚いたような表情となったが、直ぐに何時もの少し抜けた表情に戻ると、首を横に振ってきた。
「全然~! 帰りたくないよ? だって、ソウタと居るのが幸せだもん」
「そっか、幸せか!」
彼女の言葉を聞いて、俺も胸を熱くする。
だって、自分と居て幸せだって言われたら、誰だって嬉しくなるよな。
そんな胸の熱さを快く思いながら、ゆっくりと瞼を閉じる。
そうだ。俺は最高の幸せを手に入れた。もう何も必要ないのかもしれない。
その時だった。俺の胸の中で何かがひび割れたような気がした。
でも、それが何か解らない。ただ、何故か違和感を持ってしまったのだ。
それでも、俺は疲れからくる眠りに勝てず、意識を手離すのだった。
どれだけこんな幸せな生活を送っただろうか。
毎日のように愛する妻達と最愛の時間を過ごし、時には愛娘のキララと遊んだり、ダルガン爺さんと飲み比べをしたり、そんな楽しい時を過ごすうちに、初めの頃に感じていた違和感すら無くなってしまった。
そんな俺が自分を見下ろして不思議に思う。
なんで俺は未だにビキニパンツを穿いてるんだ? それに二ーソックスも......糞神を討伐したのなら、こんな装備を身に着ける必要も無くなっている筈だよな?
あれ? 何かがおかしい気がする......何がおかしいんだ?
だが、どれほど考えても解らない。いや、いつの間にか俺の思考は異常に低下しているような気がする。
それは、深く考えようとすればするほど、霧が掛かっていくような感じなのだ。
更に考えようとすると睡魔が襲って来る......
おかしいぞ! おかしい! これは絶対に何かある......くっ、眠気が......ダメだ。寝たらまた解らなくなりそうだ。
そんな時だった。ミイとエルが俺に優しく話し掛けてきた。
「ソウタ、どうしたの? 少し様子が変だわ」
「そうだぞ。少し寝た方がいいんじゃないか?」
二人は少し心配そうに話し掛けてくる。
「じゃ、私が添い寝してあげるわね」
「そうだな。それがいい。それとも妾の胸がいいか?」
そう、なんの変哲もない台詞だった。
当たり前のように、俺を気遣う台詞だった筈なのに、俺は違うと感じてしまった。
「お前、誰だ?」
「何を言ってるんだ。妾はエルローシャだぞ?」
「嘘をいえ! ミイが俺を独占しようとしているのに、エルがそんな和やかな顔をする筈がない。それに胸の話題が出たのに、ミイがそんな冷静である筈がないんだ」
まさか、こんなアホな理由で異常に気付くとは、我ながら頭が痛いことだが、あの二人のいがみ合いも偶には役に立つんだな~と感心してしまった。
「うぐっ......ソータ。お前は疲れてるんだ」
エルは的を得た追及に対して一瞬だけ怯んだが、何事も無かったかのように誤魔化しに掛かった。
いや、もう騙されないぞ!
そう思った途端だった。俺の意識が鮮明になっていく。そう、俺は精神試練に向かった筈なんだ。だが、そこで幸せな気分になって、埋もれてしまっていたんだ。
「もう、惑わされんぞ! お前等は誰だ? 何者なんだ? これが精神試練なのか?」
そう
「気付いてしまったのね。ここで何も知らずに暮らした方が幸せだったのに」
「そうだな。とても残念だ。上手くいったと思ったのだがな」
俺の意識が覚醒して、もはや騙せないと知ると、ミイとエルが怪しい笑みを浮かべてそう告げてきた。
すると、俺の後方からマルカとニアが口を開いた。
「とっても残念だよね。あと少しだったのに」
「そうニャ~の! 気付いちゃったニャ~よ」
「やめろ! 俺の女達の真似なんてするな!」
四人の存在が偽物だとバレたことを理解しつつも、未だに俺の女達の真似をする事に苛立ちを隠せず、ついつい怒鳴ってしまった。
「いいじゃない。私、綺麗でしょ?」
「そうだぞ。妾だって最高の女だぞ」
「そうだよね。あたしはちょっと胸が足らないけどね」
「そうニャ~よ! こんな可愛い姿なんて滅多になれないニャ~の」
くそっ、こいつら俺の記憶から彼女達の情報を抜き出したのか......それにしては、ミイとエルの情報が不足していたのは何故だろうか......まあいい、兎に角、今やるべき事はここから脱出する事だな。
そう結論付けながら周囲を見渡すと、彼女達が己が装備を取り出した。
ミイは弓を、エルは大剣を、マルカはハルバートを、ニアは黒猫手袋と黒猫レッグウォーマーだ。
えっ!? こいつら戦うつもりなのか?
そんな俺の驚きを余所に、彼女達は手に手に装備を持ち、俺との間合いを取った。
「さあ、儀式のはじまりよ。ソウタ」
「おら! ソータ、いくぞ!」
「お兄ぃ、覚悟してよね」
「ダンニャ様~、にゃ~の愛の猫パンチを受けてニャ~の」
こうして全く以て予想だにしていなかった戦いが、今まさに始まろうとしていたのだった。
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