第475話 神さま知りませんかで九尾なのじゃ
【前回のあらすじ】
異世界転移の女神は、転移はするけど転移先の事情は知らない。
元の世界に戻りたければ、この世界の神にそれを確認しなはれと駄女神アネモネに突き放される桜と加代。
手段は分かったがそれを為すための方法が限りなく遠い。
絶望する彼らに――。
「麦や!! 麦になるんや!! 踏まれても踏まれても上を向く麦になるんや!!」
大根太郎が珍しくいいことを言って励ますのであった。
――うん?
「おい、こんなセリフあったか?」
「のじゃぁ。なかった気がするのじゃ」
「どうなってんだ作者さん、あらすじガバガバじゃねえか!!」
「どうなってるのじゃ!?」
…………。
カクヨムコン作品書いたり正月の忙しさで、いろいろ忘れちまってたんだよ。
あげく参加し損ねるし結構ショックなんだよ。
これ書くのも実は、二週間ぶりでちょっと勘を忘れてるんだよ。
勘弁してくれフォックス!!
「「いや、勘弁して欲しいのはこっちだよ!!」なのじゃ!!」
まさか年末の描き溜めが連載作品の勘を鈍らせるという悪影響を引き起こすとは思ってもみなかったのじゃ。
みんなも、書き溜めはほどほどにね!!(現在7週分ストック中)
◇ ◇ ◇ ◇
「という訳で、何かこう神について知っている人とか居らんかのう」
「……居らんかのうと言われてもねぇ」
翌日。
俺は水質管理センターに出社する前に加代の職場に寄ることにした。
冒険者ギルド。この世界で冒険者たちと冒険を依頼したい人たちをマッチングすることを生業としている、日雇い派遣会社である。
ぶっちゃけ、元居た世界でそういう会社にこき使われていた加代が、こうして今はこき使う側に回っているというのがちょっと信じられない。
世界が変わればなんとやらという奴である。
そんな加代は職場の先輩にさっそく元居た世界に戻るヒントを尋ねていた。
やはりこの手の話は冒険者に聞くに限る。
更に言えば、冒険者たちを切り盛りしているギルドの人に聞くに限る。
きっとその手のイベントがあるだろう。なくてもなんかそういう匂いを感じさせる、冒険者を知っているだろう。
そういう魂胆で、俺たちはまず
しかし――。
「うぅん、とんと心当たりはないねぇ」
「……のじゃぁ」
先輩ギルド職員の反応はなんとも冷ややかなものだった。
知ってて知らないと言っている感じではない、本気で知らない感じである。
他の人はどうなのじゃと加代は話を他の同僚にも振るが、彼女たちも同じく首を横に振るばかりであった。なんともはや、虚しい反応である。
「この世界って、もしかして神様はそれほど身近じゃないのかな」
「あのドグサレ駄女神がいらんことしいなだけで、実際はそうなんかもしれんな」
「つっても教会とか普通に立ってるぞ」
「あれや、型月的な感じの教会かもしれんで」
型月的なのならJRPGよりよっぽど正統派な教会じゃねえか。
神どころか魔法にすら精通してそうだっての。
なに言ってんだこのドグサレ大根。
とまぁ、そんな加代のやり取りを、さも冒険者でございという感じで見守る、俺と大根太郎。こりゃなしの礫かと思っていた時――。
「そもそも、この世界には五柱の大神が存在してね」
「「と、唐突のイベント発生キター!!」でー!!」
いかにもJRPG的、まってましたとばかりのイベントが発生したのだった。
ほんと、都合よすぎませんかね。
これもはたまた女神がつけてくれた幸運値の加護か。
それとも、なんかそういうフラグが立っていたのか。
なんにしても、この話、聞かないわけにはいかない。
のじゃ、是非詳しく聞かせて欲しいのじゃと意気込む加代の背中で、俺たちも耳を澄ませてその次の言葉を待った。
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