第9話 星の嘆く声

夜空に浮かぶ

あなたの心


海に沈む

土に潜る


どうしてなの?


こんなにも離れていれば光り輝いているのに


近づけば、ただの有機物の塊


燃える誰かの光を浴びて


それでも光る力はある

それでも反射する能力はある


夜空に浮かぶ

あなたの心


涙は海に流れ込むの?


声は土に響き渡るの?


どうしてだろう。


近づくこともできない不幸を嘆くのに


近くにあるものを疑うのは


夜空に投げる

わたしの心


あなたのそばへ


泣かないで

哭かないで


ひとりじゃないから

ふたりでもないけど


だから閉じてて

だから開いて


悩み深い星の嘆き


傷つきたくない愛なら手放せばいい

手放せない愛なら血を流してもいい


愛は責任なんだよ

愛は……自己犠牲

愛はあなたを縊り殺す


愛って、ただの綺麗なものじゃない


遠くで輝く星が

近づけば無機物だってこともある


だけど失える?

どれほど胸を抉っても

どれほど心を裂いても


私は失えない

私は手離せない

私は諦められない


だから、苦しみをも笑みにする

彼の方を

悩ませたくないから


だから、平気なふりをする

彼の方は

それを承知でいてくれるから


愛しているなら

愛しているから


あなたの幸せを願っているものがいる

あなたの不幸せを嘆くものがいる


それだけは忘れないで


あなたの星は


光り輝いている?




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きみだけに謳った詩 汐凪 霖 (しおなぎ ながめ) @Akiko-Albinoni

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