ACES ~Dead Mans Chase~

作者 柏沢蒼海

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★★★ Excellent!!!

グリップを絞りペダルを弾いて戦場を駆ける。仲間の息づかいが俺を生かす。
なのになぜいま、こんなにも戦場は閑かなのだ。

戦場では、その技量や才色に関わりなく命を散らす者ばかり。兵士たちは、死の淵ちかくで心身を削ぎおとす。その葛藤の限界点までは『兵士』。理性をこえた先にのこるは生きるか死ぬかの本能。ファントムはその隙間に入り込む。
骨太なスペースオペラが胸に迫ってきます!

★★★ Excellent!!!

 宇宙に潜む底知れぬ狂気、そして哀しい愛の物語でした。
 細やかに描かれる宇宙の描写、狂気に迫った捨て身の戦術、主人公の中でリフレインする声。その全てが合わさって漆黒のロボットSFストーリーとなりました。
 宇宙世紀作品の外伝のような、良くできたリアル系ロボット物として濃厚なSFオーラを感じ取ってください。

★★★ Excellent!!!

静かな狂気が好物なので非常に楽しめました。
戦闘……いや、戦術描写ともいうべき静かで激しい戦闘シーンは他にない味わいです。
人間が凍る部分はもっと宇宙服でなんとかなるんじゃないかとか無粋なことも思いましたが、そこも今回は味わいとして楽しみました。

★★★ Excellent!!!

戦争の中の戦闘描写に重心をとって描かれた作品。

「極限空間における狙撃戦術を魅せる」と言う一点にすべての表現が指向しております。

『自身の生命をも道具の一つとして使い、一人でも多く殺害せよ』

これこそ戦争なる事象が、兵士となった人間に命ずることの本質であります。

★★★ Excellent!!!

宇宙空間での、長距離狙撃について切り取った短編です。
非常に秀逸な描写で、温かい部屋の中で読んでいるはずなのにぞくぞくと寒気を覚えた気がします。

愛する人を失った主人公はその人が務めていた狙撃手となり、今日もまた敵を撃ちます。
凍てつく機械の中で、一人。
彼女のぬくもりを求めて。

明日も、その先も、ずっと。
自らが宇宙とひとつになるか、戦争が終わるまで。

ロボ小説の手本のような一篇でした。必読です。

★★★ Excellent!!!

掌編ながらバックボーンがしっかしとしており、リアリティに裏打ちされた圧倒的な臨場感を味わうことができました。特に『アリスOS』なる狙撃をする為だけに他の全てを廃したようなシステムは、まさに戦争や復讐の狂気を体現しているようで思わず戦慄してしまいます。

狙撃手視点という、他のロボットノベルでは味わえない魅力や空気感が詰まっております。オススメです。

★★★ Excellent!!!

 架空の宇宙戦争を描いたSF短編ながら、作者の「ロボット物におけるリアリズム」が徹底して描かれた作品になっています。細部にまで考察と考証を行き渡らせた結果、まるで実際にこうした戦闘があったかのような臨場感を味わいました。そして、そうした冷徹なまでの戦争風景が、改めて「狂っている」という、戦争は全てを狂わせる恐ろしいものだと実感できるのです。それでも、その根っこにあるのが恋慕や情愛というのがまた、物悲しいまでにリアルだなと唸らされました。

★★★ Excellent!!!

 宇宙という極限的な空間で起こる、恋人を失った主人公による狙撃。
 SF考証が秀逸であり、なおかつそれによる極限の描写がよく出来ている。なおかつ主人公の悪意なき狂気が狙撃劇に華を添えている。

 長編にしたら面白いだろうなって思います! 短いですがぜひ読んでみて下さい!

★★★ Excellent!!!

本作品、非常にクオリティの高いロボ狙撃ものです!
巨大ロボが織り成すメカニカルな空気、
戦場の非情さを伝えて来る危うい精神、
そして、極限環境の中で、アリスという亡霊に触れる主人公。

全てが一つに噛み合って、この身も凍るようなリアリティを醸し出す狙撃ものを完成させているのです。

読んでいてゾクゾク来るような空気が演出出来るのは、偏に柏沢氏の巧みな心理描写とリズムによるものですね。

狙撃ものを読みたい方にも、リアリティに溢れた巨大ロボものを読みたい方にも、是非読んでほしい。そんな珠玉の一作です。