エピローグ
Quantum approach to consciousness 原意識
実はね、大正時代の真智達と現代のひかる達とは量子力学的な現象を利用した情報通信技術で繋がっているんだ。
脳内の細胞を細かく観察するとね、僕達が意識と呼ぶものに関係しているかもしれないカルシウムイオンとリン酸イオンからできた水酸化燐灰石と呼ばれる結晶が無数に遍在している。
そしてそれらを人間が観測可能な部分も含めて説明すると、回転を表現する特殊な数学的対象であるスピノールのペアという因子から生まれた一次元のデジタルネットワークが姿を現すんだ。
これはとっても不思議なことなんだけどね、その一つ一つは素粒子のスピンと関係していて、回転することで量子もつれを作り出すんだ。
そしてそのペアのスピノール同士は時空を越えてリンクし合っているんだ。
だけどさ、本人が亡くなるとスピノールのペアのリンクは解消して消滅するんだ。
そして稀にね、その量子情報の一部が別の時代の別の場所にも性別や種を越え存在する知的生命体とリンクする可能性だってあるらしい。
つまり、僕が言いたいのはこういうことなんだ。
僕達が意識と呼ぶものに関係する構造は、
別の時代の別の場所にも性別や種を越え存在している可能性があるっていうこと。
僕達が普段感じている表層意識ではそれは自覚することは出来ないんだけど、
潜在意識下ではそれぞれが繋がっていて影響しあっているのかもしれない。
また、だからこそ共通点がたくさん生まれることだって考えられる。
既視感や前世なんていわれるものは、
もしかしたらこれらに似た現象なのかもしれないね。
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※次話からの第3章①は、
中 孝介の歌う 『花』を聞きながら想像を膨らませて書いた作品です。
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