最終話

カーラ 一生

※前回のあらすじ※

ひかる泊まりに来た空に、

喧嘩中の愛理栖との関係について相談した。

ひかるは空の助言から愛理栖に再び会って謝った。

散歩中のひかると愛理栖は、初めて会った公園のベンチで思い出話をする。

愛理栖はひかるとの思い出話の中で、

本当の自分の名前を思い出した。

その日の夜、ひかるの枕元に不思議な格好をした愛理栖が現れた。

※あらすじ 終※



むかしむかし、あるところに、なかのいいおかあさんセミとセミのおんなのかぞくがいました。

おんなはまだようちゅうで、そとのせかいのことをしりません。

かあさんはいつもおんながねるまえそとのせかいのことをまいにちはなしきかせました。


はじめてそとのせかいをんだときのこと、

はじめてそとのせかいでともだちができたこと、

とりべられそうになったこと、

とおさんセミにしりあったときのこと、

おんながうまれたときのこと、


おんなはおかあさんのはなしをきくのをいつもたのしみにしていました。



 しかし、あるかあさんはおんなったのです。

「おかあさん、これからながいたびってくるね」

おんなはとつぜんのことで、いやだいやだときじゃくりおかあさんのうことをききません。


「ごめんね。さみしくおもうかもしれないけど

たくさんのものたちがあなたのおともだちになってくれるわ。

だって、あなたはわたしの大切たいせつ大切たいせつたからものなんですもの。

あなたをひとりのこしてさきってごめんね。

でもね、あなたがおりこうさんにしていたら

いつかまたどこかできっとえるわ」



かあさんがたびにでたあとつきひがながれ、おんなはせいちゅうになってそとのせかいにびたちました。


そしてこいをしておかあさんになりました。


おんなはおかあさんになってはじめて

じぶんのおかあさんがっていたことばのいみがわかりました。  



おしまい


作 しおり





——————————————————————

「君、 本当に愛理栖?」

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