Story38 リヴスル脱出作戦~旧友~



 ~・~・~・



 ミムたちが精霊神シェリオに会いに行っている間、スピラーであるリピルの祖父フォルサは、精霊界にある公園のベンチの1つに座り、「旧友」を待っていた。


 「はて、そろそろ来てもいい時間なのじゃが…」



 〘―――遅れたな〙



 あまりにも聞き慣れた女の声がして、フォルサはその声がする方を向いた。

 そして、その姿を認めた彼はにこやかにそのの名を呼んだ。





 「久しぶりじゃな、リーシェ」





 〘私たちがこうやってゆっくり話し合うのもしばらくぶりだな、じいさんよ〙


 「今はお前の相棒じゃ、名前で呼んでも良いのじゃぞ?」


 〘………いんや、やめておくよ。いくら元相棒だとはいえ、今はお前さんの孫リピルのガーディリットだからな〙


 「――そうか。そうじゃったな」


 〘不思議と、精霊界に行くと、気持ちが落ち着くんだよな〙


 呪いの精霊は、穏やかな笑みを浮かべる。


 「……この精霊界に来るのも何年ぶりじゃったか」


 〘あ、そうだ。じいさんさ、なんでスピラーとしての能力を放棄したんだ?私と組んでいた時は、とても優秀なスピラーだったじゃないか。それなのに、リピルがある程度魔法を使えるようになった頃から急にやる気を無くして、そしてリピルが10歳を迎えた時にはついに自分からスピラーの能力を放棄したい、と精霊神様に直接申し出ちまった…あの時、一体何があったんだ?〙


 フォルサはリーシェの方を向き、目をほんの少し見開いた後、うつむいてこう言った。


 「それは、本当に申し訳ないと思っておる。お主にも、かつての我が精霊たちにも」


 〘いや、私はどうしてじいさんがスピラーをやめちまったのか聞きたくて――〙


 「…特に、リーシェ。お主にはとても辛い思いをさせたな。死んでも償いきれんよ」


 〘………………〙


 「………………」


 沈黙が数秒の間、続いた。

 そして、先に口を開いたのは、ファルスだった。


 「―――すべて、すべて儂のせいなんじゃ」



 目を伏せるフォルサ。

 今でも忘れることのない、壮絶な記憶。

 彼らは、のことを思い出さずにはいられなかった――。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

応援した人

応援すると応援コメントも書けます

ビューワー設定

文字サイズ

背景色

フォント

一部のAndroid端末では
フォント設定が反映されません。

応援の気持ちを届けよう

カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック!

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう!