Story37 リヴスル脱出作戦~精霊神との出会い~


 「あ、あの…神界以外にも、あるの?そういう、世界みたいなの」


 〘はい。ケスハムには、お嬢らのみならず、様々なものの「世界」がございます。お嬢らの住む「地上界」、死者の行く「天界」や「冥界」、我々精霊の住む「精霊界」や、星の精である星霊スターシェの住む「星霊界スタシェリム」、神々の住まう「神界」。大きく分けると世界はこの6つに分けられます〙


 うわぁ…6つもあるのか…多いな…


 「ちなみに、私たちがいるここ『神界』は、同じ地上界よりも上部に属する世界の『天界』よりもはるかに高いところにあるんだよ」


 リピルが付け加える。


 「ふーむ…なるほどね」


 異世界から来た私でも、この先に神界や天界にお世話になる日は来るのかしら…


 〘――さて、軽い説明も済ませたところで、早く精霊神様とシガム様の元に参りましょう。時間は有限ですから〙


 ファールスの言うことはもっともだ。

 リャナーサが何か仕掛けてくる前に、地上界に戻ってこなければ。


 ~・~・~・


 ファールスとリピルに導かれて、私とミュシアは森の最深部と思われる場所まで歩いた。

 ここにたどり着くまでかなりの距離を歩いたはずだが、不思議と疲れは感じなかった。

 この防護鏡リフレクターのおかげかな?


 「ミム。ここが精霊神様のお住まいになっているところだよ」


 1人下を向きながら考え込んでいると、リピルに話しかけられ、ようやく前を向いた。


 そこにあったのは1つの小屋だった。

 何の変哲もない、木でできた小屋だ。


 「ここに、精霊神様とやらがお住まいに?」


 「そうそう。いつもはあの小屋にいらっしゃるはずなんだけど…散策にでも出かけておられるのかしら、中にはいらっしゃらないようね。スピラーは、最低でも年に1回、精霊神様の元まで行って自分の存在を確認してもらわないといけないの」


 〘自己存在の更新は、すなわち生存確認のようなもの。これをしておかないと、スピラーとしての能力を剥奪されかねない、つまり「死亡している」と判断されてしまうのです〙


 どんなに忙しくても、必ず精霊神様には会わなくちゃいけないのか…スピラーも大変だな…

 それにしても、自己存在の更新って、なんか運転免許の更新みたいで面白いな。


 まぁ、それは置いておいて。


 〖リピルちゃん、お久しぶり!後ろにいるのはファールス、ミュシアちゃんと…?〗


 ふと、後ろから透き通った声が聞こえてきた。

 透き通っている声の中に、まるで子犬のような、あどけなさが少し残っている。


 今までに聞いたことのない、聞き心地の良い声の主を見るために振り向くと、そこには女の人が立っていた。



 ――否、その方が「精霊神シェリオ」であった。

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