Part2 新たな出会い

Story15 別れと出会い


 ~・~・~・


 ――早朝。


 まだルキ達が寝ている時間に起き、支度を整えていると、枕元に小さな皮袋が置いてあった。


 中を確認すると、お金が入っていた。


 私はこの世界の通貨単位など分からないが、とりあえず受け取っておく。


 「……『ありがとう』なんて、言わないんだからね」


 少しツンデレっぽい感情を残したまま、宿屋のおじさんにお礼を言って、私は1人、宿を出た。

 早速パーティー解散である。


 ……といっても。


 「この先、どうしよう………」


 金はある。がレベルがない。


 ここでどんな病気が流行っているのか分からない上に、もし今、通り魔なんかに襲われたら。

 ゲームオーバーだ。ガメオベラだ。


 何せ私の現在のレベルは9。

 そう、マイナスなのだ。


 何らかの直接攻撃は、私に決定的な「死」を与える。

 それを防ぐためには、魔物と戦い、レベルを上げるしかない。


 ――それなら、ルキ達と行動していないとダメなのではないか。

 序盤から、彼らと別れてしまったのは愚策だったのではないか。


 そう思うと、自分の行動がいかに浅はかで致命的だったかに気付く。


 「……だからといって、今更、引き返せる訳がないじゃない」


 やってしまった、と思う自分と、いや、もうこのまま行くしかない、と思う自分がいる。


 どうしよう。


 1人立ち止まっていると、ツンツン、と誰かに腰を突っつかれた。

 何事だ、と下を向くと、そこには小さな女の子がいた。

 背は私の腰くらい。見た目的に年は……12くらいかな。


 見た限り、服はあまりきれいではない。悪く言うと、ボロボロだ。

 ところどころ破れていて、ズボンも膝から下がちぎれているようだった。


 しかし、つややかなセミロングの黒髪に、大きくくりくりした、金色の瞳。

 まるで吸い込まれそうなほどの神秘的な色だった。

 厳しい環境に咲く一輪の花のような、凛々しい美しさを内に秘めていた。


 ただ、その顔はまるで表情に乏しく、今どんな感情なのか、美夢には分からなかった。

 つり目ではないのだが、ずっと見ているといろいろ見透かされそうな気がする。


 それでも、その子の、目に涙を浮かべ、「助けてほしい」と言わんばかりの表情に、私は「この子を助けなくちゃ」と即時に直感した。


 「えーと………どうしたの?迷子?」


 そう聞くと、その子は首をただブンブンと振るばかりだった。


 「迷子じゃないのか~…じゃあ、どうしたの?」


 その子は、また私の瞳をじっと見て、何かを訴える。


 といっても、私には全く理解できなかったため、言語による意思の疎通を試みた。


 「何か探し物?」


 ブンブン。


 「あっ、何か私、落としてた?んで、それを拾って届けに…」


 ブンブン。


 「えぇ~、もう思い浮かぶのがないよ~……」


 私は、途方に暮れてしまった。

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