一気にいきますチャプター15〜ポチとの遊びはほどほどに〜

「キェェェェェェェ‼︎」



最早お馴染みかと思いますこの鳴き声、


その鳴き声の主は、私こと桐谷桜と、理沙さんを追いかけてきている謎の巨大生物、ザ・モンスターさんのものです、


私達は現在、走る体力も尽き、背後から(振り返ってるので正面から)、物凄い勢いで私達に向かって突き進んでくるザ・モンスターさんを眺めています。




なんかもう、完全に打つ手がないので色々投げやりになっています。



あと数秒もすれば、私達は、あの気色の悪いザ・モンスターさんに轢かれ、土の肥料となることでしょう。






……ふふっ……





……ふっふっふっ……






……なーんちゃって☆



「理沙さん!」


「……何?」


「伏せて下さい!」


「え?」


瞬間、



ズドーン‼︎



と、大きな爆発音がして、




目の前まできていたザ・モンスターさんの頭が吹っ飛んび、その巨体が地響きを立てて崩れ落ちる!


「なっ何⁉︎」



反射的に伏せていた理沙さんが今何が起きたのか分からずキョロキョロ辺りを見て状況確認をしている。




ザ・モンスターさんが倒れた時に起きた土けむりに紛れ、



ザッザッと、地面を踏みしめて、歴戦のガンマンのような登場をする人影が見える。




「……長かった……ここまで長かったわ……」



随分と派手な登場をしたのは、我らが主人公、桐谷玲奈お姉ちゃんです!



私、桐谷桜に抜け目なし!



ここで止まったのは、逃げる途中で視界の端に何かを構えてる玲奈お姉ちゃんの姿が目に入ったから。



つまりは勝ちを確信したが故の行動!



私、今、カッコイイ!



フハハハハー‼︎





……………、




……以上です。



さっさと次行ってください!




––––––––––––





ようやく合流できた玲奈と理沙、桜、




だが何故か、玲奈の手にはゴツいロケットランチャーが……


……一体どこで入手したのだろうか、そして、街中でそれをぶっ放す玲奈は、果たして正気なのだろうか、



……考えるまでもなく、玲奈はもともと正気じゃない、






「やっと会えた……知ってる顔に……」



嬉しそうに言う玲奈



……私も嬉しいです!



と玲奈に駆け寄る桜、



理沙は何が起きたのか分からずフリーズ状態、


「全く、何よこの世界、学校出た瞬間チェーンソー持った大男に追っかけられるし、道端に倒れてる女の子に声をかけたら貞子化して襲ってくるし……」


「大変そうですね〜」


「だ……大丈夫だったの?」


和やか〜に言う桜と、ようやく思考が帰ってきたらしい理沙、


「大丈夫じゃないわよ!ここに来るまでに30回は死んだわ!その度に学校の体育館に戻されてやり直しよ!」



あったのか、セーブポイント……




誰も知らない所で玲奈は随分と楽しそうなことをしていたようだ。



「最初は『あっ終わった……』って思ったけど生き返るって分かって、何か楽しくなったわ!おかげで何回この世界に残りたいって思ったことか……」




マゾっ子玲奈ちゃんにとって、痛みは何よりの好物なのだ!



流石はあゆみ……玲奈の好みを心得ている。



「死にまくったのに残りたいって思ったんだ……」


「うんなんかね、チェーンソーとかでバッサリいかれた時とかね、めっちゃ痛かったけど……それがよかった!」



「流石はお姉ちゃん……いい感じに気持ち悪いです……」


「って言うかこの世界って何よ?そもそも死んで生き返ったって、もうそこから意味わかんないんだけど……」


まるで自分達が別の世界に閉じ込められてるみたいじゃないと問う理沙、



「その通りよ!今私達はあゆみの頭の中の世界に閉じ込められてるの!……っていきなり言っても信じられないか……」



あー……どう説明したもんかなーと頭を抱えている玲奈、




「大丈夫よ、なんか、信じられるから」


これまで色々思い当たる節があり、あっさり信じる理沙、


「そっそう?流石は理沙!玲奈、嬉しいからギュッとしちゃう!」


と言いながら玲奈は両手を広げ、理沙に突撃していく、


そして理沙もまた逃げないのですぐに捕縛、


ギューッと、なんか吸われてるんじゃないか……ってくらい熱いハグをする、



最初は何から聞いてやろうかと、グルグル考えていた理沙だったが、玲奈に抱きつかれた瞬間、



……まぁ、なんでもいっか〜、


と、考えることをやめた。





とりあえずはこれで揃った感じで……


ん?後一人、


あゆみさんは?



と、桜が聞こうとした時、




「玲〜奈〜‼︎」


遠くからかけてくる人影が、



「あっあれは、おーい!さーやかー!」


嬉しそうに手を振ってさやかと呼んだ相手を呼ぶ玲奈、



さやか?知らんぞ私は!



理沙が、玲奈の口から出た、どこかで聞いたことのある人の名前に戦慄する。



「あっそういえば私、その事を理沙さんに伝えに来たんでした。ん?というか、何が起きてるんですか?確かお姉ちゃんさやかさんに誘拐されていたと認識してたのですが……」



「あっそれよ!玲奈!あなたさやかって人に狙われてたんじゃないの?」



「そうね、そこから説明しなきゃね」


ムンッ!


と、何かすごい得意げに胸を張る玲奈、


めっちゃムカつくが、色々聞きたいのでスルーして話をさっさと進めてもらうことにした理沙と桜なのだった。

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玲奈の不思議な恋愛〜ガールズラブは止まらない〜 ベームズ @kanntory

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