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「まひる」


「先生のこの指……」


 左手で先生のゴツゴツした大きな指と、私の細い指を絡める。


「先生のこのお髭……」


 右手で先生の顎髭に触れる。


「先生の唇……」


 先生の唇を指先でゆっくりとなぞる。


「先生の眼差し……」


 指先を目元に這わす途中、先生の大きな手が私の手首を掴んだ。


「まひるの体が……俺の理性を狂わせる」


 先生の唇が私の唇を塞いだ。舌を絡ませ、夢中で求め合う。ベッドに崩れ落ちた私達。シングルベッドが大きく軋む。


 着物の裾が乱れ白い脚が露になる。薄明かりの下で絡まる心と体。先生が私を大胆にさせる。


『俺と……刺激的なプロローグを始めないか』


 先生が私に言ってくれた……

 プロポーズ。


 どんなエピローグが待っているのか、それは二人にもわからない。


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