第229話「エスペラント語」

「私のお母さん、外国語しゃべれるんだよ」


小学時代、保育園から一緒の友達キシちゃんのお母さんは、エスペラント語の先生だった。


「へぇーそうなんだあ!何語?英語!?」


と、僕が聞くと……


「エスペラント語!」


と、キシちゃんは言った。


「エスペラント語?それって何語!?」


って、エスペラント語だ!と言われてるのに、僕は訳の分らない質問をした。


「将来、世界共通語になるかもしれない言葉なんだって」


と、キシちゃんは言った。

家に帰ってから、親父に話した。


「エスペラント語って世界共通語になるんだって!」


と、僕が言うと……


「ん~ちょっとどうかな?世界語で考えると英語圏の方が多いだろうし、第一……」


「第一?」


「同じ日本語だって、方言があるくらいなんだから、その土地の言葉の方が重要なんじゃねえか?」


と、親父は言っていた。

当時の僕には、意味が分からなかった。じゃあ今なら分かるか?と言われてもどうだか分らないが(笑)

でも、言葉は大切だし統一はナカナカ難しいのでは、無いだろうか?ただ、使っている言葉が同じなら、安心感はあるだろう。しかし、伝わるかどうかは、お互いの問題だろうかと思うからだ。


そうそう、そうだった!イケも習ってた。

でも、高学年になる頃には、イケからエスペラント語についての話しは聞かれなくなった。


「イケってエスペラント語、習ってたよなあ?」


って、僕が聞くと……


「キシのお母さんとうちのお母さんが友達だから、仕方なく通ってたんだよ!でも嫌だから空手やるって言って辞めたんだ!」


と、言っていた。

と、言う事は、2年生くらいの時までだったんだなあ!そうそう、いったいどんな発音で話す言葉なのか、イケに聞いた事があるが……


「もう覚えてないよ~!」


と、言っていた。

いったいどんな言葉だったのだろうか!?


おしまい

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