第204話「両あきポケット」
小学校2年の時。 両側から手を入れられるポケットのついたフード付きトレーナーを、メグが着て来ていた。僕は、トンネルのような両あきのポケットに興味を惹かれた。
メグはポケットの中に、色んな物を入れていた。ハンカチ、ティッシュに、なぜか飴玉!
「はい、あ~んして!」
なんで飴玉なんか!?
「うぐっ、モグモグ……」
僕を共犯にするつもりだな!
学校へは、食べ物を持って来てはいけなかった。 (でも時々、持って来て食べてたなあ~。よっちゃんイカなんか良く食べた)
誰かに見つかると、いつ言いつけられるか分からない!だから、メグとは内緒で飴をなめた。
公園でのドングリ広い。拾ってドングリは、帽子に入れていた。その横でメグは、ポケットに入れていた。
でも、両あきポケットだから……
「あっ!こぼれちゃう。早くミズキ、帽子!!」
と、ポケットの片側を押さえたメグが言った。ドングリが落ちないようにしているメグ。僕は大急ぎで近寄り、メグのポケットからこぼれちゃうドングリを帽子で受け止めた。
そうそう、寒くて手がかじかんだ時は、メグの両あきポケットに手を突っ込んで、温めてもらった。
「ねーねー、ポケットの中に手を入れなよ~!」
と、僕は言われて、メグのポッケに手を入れると……
「はい握手!」
なんて、ポケットの中で手をつかまれたしまったのだった!
メグの手、温かかったなあ。
おしまい
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