第188話「逆上がり」

「逆上がりのコツは、腕の筋力で身体を引き揚げられる事がポイントだ!」


小学生の息子と公園で鉄棒をした。


「上手く出来ないよう」


と、言うので見ていたら、ふと思い出し、息子にアドバイスをしたのだった。すると……


「あっ!出来たあ」


息子は上手く腕の力を使えたようで、体を一回転することが出来ていた。それを見ていて、ふと思い出した。僕の小学時代の話だ。


◇◇◇


保育園からの友達カミは、保育園の頃から逆上がりが出来なかった。何故なら……デブちんだからだ!


「あがんね~んだよ!」


と、必死な顔で鉄棒を握りしめ、勢いをつけては挑戦していた。


カミが、逆上がりが出来るようになったのは、6年生の時だ。このままでは肥満児で施設送りになる!という事から、シェイプアップしさらには腕の筋力をつけたからだ。


僕は、3年生まで校内学童保育所に通っていた。その時は、逆上がりでの競争をよくやっていた。慣れてくると地上に降りずに、半身で鉄棒に捕まった状態で、何回転も逆上がりが出来るようになった。(空中逆上がり)


そうそう、当時の女の子達は、スカートを履いてた子も逆上がりをしていた。スカートで逆上がりをする時は、パンツの縁にスカートを巻き込んでいた。今にするとなんともまあ、みょ~な姿だったが、ヒラヒラ舞うスカートから、変身した女の子達は凄かった!片足を鉄棒にかけての、逆上がりや前回りはもちろん。そのままの「空中回転」は、サーカスのようだった!あまりにも勢いがつきすぎて……


「だれか止めて~!」


なんてケイちゃんが言ってたなあ。


低い鉄棒で逆上がりが出来ると、段々と高い鉄棒でも試したくなった。近くの公園には、2メートルぐらいの鉄棒があり逆上がりした。くるっと、ひとまわりすると、僕の目線は急に変わり、眼下に広がる公園の景色に驚いたものだった。


おしまい


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