第179話「腹話術」

5年生の時、土曜日に校庭で自転車教室があった。地元の警察官が来て、いろいろと教えてくれるのだ。校庭で、自転車教室をする前に、体育館で交通安全についての話しを聞いた。

そうそう警察の交通安全話しといえば腹話術だった!


それは僕の保育園時代から変っていない事だった。何故、あの変な人形を持ってきて話しをするのだろうか?あの人形のせいで……


話しの内容なんて、ほとんど覚えていないよ~!


そして、その後……腹話術が流行るのだった。


そうそう、腹話術のしゃべり方にもコツがあった。薄く口を開くのだ。これでかなり、しゃべれるようになった。


腹話術のしゃべり方は、たまに練習をしていた。多分だが、共鳴するポイントに、コツがある気がする。口を閉じても、鼻から響かせると、しゃべれる時があるからだ!どういう原理かは、良くは解らないが、ようは音の出口の誘導なのだと思う。例えば……


「あ~」


と言っているのを、段々と口を閉じて発音する。段々と、くぐもるはずだ。でも、同時に鼻から音を抜いていくと……


「あ~」


と、鼻から音が出るのだ!

とはいえ鼻が通らないと鳴らないので、僕にとっては期間限定の遊びだった。僕は年がら年中、鼻がつまっていた。冬は風邪引いているし、春秋は花粉症だからだ!(特にスギだ)


そうだ!スギつながりで、友達のスギと「腹話術ごっこ」をしたのを思い出した。スギは口に、マジックで縦に線を書いた。腹話術の人形の口の線の真似だ。で、スギが僕の膝の上に座った!あとは僕とスギが、ただ普通に会話するだけというものだが、大うけしたのを覚えている。


おしまい

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