第173話「僕らの冒険譚」

その時の僕らは、トムソーヤやハックルベリーフィンになりきっていた。僕とカミは今、家の中で冒険中だった!もちろん脳内BGMは……


「スタンドバイミー」


だ!

2階は、魔の山!どこかに眠る宝を探すのだ!僕達は危険な旅に出た!急な階段は崖だ。


「ミズキ~っ!」


と、滑落していくカミに手を伸ばし捕まえる。そこで僕らの合言葉だ!


「ファイト!」


「一発!!」


さてさて、この先にには行く手を阻む、お布団の雪。


「カミ~っ!」


僕は、雪崩に飲み込まれた。


「ミズキー!」


と、カミが僕を掘出す。生きて1階の麓に降りるまで、僕らは力を合わせて頑張るのだ!とうとう、お宝が眠ると言われる2階の親父の部屋に着いた。

(親父の部屋には、いろんなガラクタがあって、時々こうやって失敬してきていた)


さあて、お宝探しだ!僕らは、いろいろと探したのだった。そして、お宝を手に入れ帰路につく僕ら。帰り道、本当にカミが階段から落ちた時は焦った。


『階段が壊れる!』


と、思った。いや、デブちんのカミも心配だった。カミは膝を擦りむいていた。早速、僕は救急隊になって、消毒と絆創膏をした。無事、一階の麓の村に着いた僕らは肩を叩いて喜んだ。今回の、冒険のお宝は、何かの「ボルト」と、何かの部品らしい鈍く光る「鉄の塊」だった。僕らは、お宝を眺めながらジュースで乾杯をしたのだった。


小学1年生の時の話だ。


おしまい

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