第116話「警ドロ(悪漢探偵)」

 僕の小学時代の話だ。

 やったことがあるかと思うが、一応のルールの説明をしつつ書く。

 まずは範囲決める!


「今日は、人数が少ないから、公園の外まわりの道までな!」


 とか……


「今日は、2組対3組だから、3丁目の中で対決だ!」


 など決めた。

 その中で、探し出す警察側(探偵)と、逃げるドロボウ(悪漢)にわかれ、時間内で逃げきるか、捕まえるかで勝敗を決めるのだ。

(悪漢探偵のネーミングは、同名の映画からついた!僕らは、こちらの呼び名が主流だった)


「見つけた~!タッチ~!!」


「それでは連行します」


「だまって牢屋に入っとれ~」


 ドロボウは、ボディタッチされたら捕まり、牢屋と決めた場所にいる事になった。

 単純ルールでは、脱獄出来ないが、追加ルールでは……


「助けに来たぞ~!逃げろ~!」


 捕まっていない仲間がこっそり牢屋に近寄り、タッチしたら逃げだす「脱獄」ができた。

 遊びに集まった人数が多い時は、さらに、ドロボウ側も攻められるようにと、「缶蹴り」の要素も取り入れ……


「ルパン三世~登場!!」


 なんて言いながら「お宝(缶)を守る警察(警備)」という設定で遊ぶ事もあった!


「ルパンが現れたぞ~!!発砲を許可する~!!なんとしても捕まえろ~!!」


 そしてそこに、銀玉鉄砲や、癇癪玉(かんしゃくだま)、煙玉の煙幕が実戦投入、この時とばかりに、気分は盛り上がった!


 警察側は、よしこい!とばかりに、鉄壁の警備で守りつつ、プラスチックの手錠と銀玉鉄砲を手にドロボウ捕獲を目指し! ドロボウ側は、癇癪玉で警察を欺き(あざむき)、銀玉鉄砲の撃ち合いから、警備をくぐり抜け、仲間を助け、煙玉の煙幕と共にお宝を頂いた!

もう、ワクワクドキドキ! さて、警察対ドロボウの対決やいかに!!


……そして、夕日が差し込む公園に、頭から上着をかぶせられ連れていかれる姿があり、手にはプラスチックの手錠がかけらていた。そして僕たちは、太陽に吠えろのテーマ曲を、口ずさんだのだった。


おしまい


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