第79話「水まき戦争」

それは我が1年1組と1年3組の間で勃発した。

僕の小学時代の話だ。


◇◇◇


きっかけは、些細な事だった。

休み時間に水飲み場ででの事。両クラスの誰かが、遊んでの水滴の飛ばし合いから、他の奴にかかりケンカになった。それを止めに入った奴も怒っちゃって……


「ふざけんなよ!」

「お前のほうこそ!」


水の掛け合いに発展したのだった!

普通の休み時間なら、そんなヒドい事にならなかっただろうが、20分の中休みというのも、発展のひとつの要因になっいる。


「ミズキ、3組との戦争だ!」


と、いう事になって2組を挟み、廊下での水のかけ合いが始まった!!

水飲み場が、お互いのクラスの端にあったのも、二つの陣営になった原因だろう。(2組は真ん中のクラスなので、水飲み場はなかった。)


始めは、手ですくっていたのが、口にふくみはきだすやり方になった!

そのうち、女の子も混じると、絵の具で使う、黄色い筆洗いバケツが登場した!すると、掃除用の銀色ポンコツバケツがお目見えするわけだ!


最前線では、カミが仁王立ちで頑張っている。メグやトモちゃんが、せっせと水を運んだ。ホリが黄色いバケツごと投げてしまい、両クラスから……


「うわっ!あぶねえ」


「それはねえだろ!!」


と、言われてしまい。


「ゴメ~ン、手が滑った~!」


と、手のひらを合わせて謝っていたのだった。

とんでもない大騒ぎに、2組の奴らが止めに入ったが……


両クラスに挟まれているので、両方から水を浴びていた!(というか、2組のクラスには水が、ダブダブ進入していた)

そのうち先生が騒ぎに気付いてやって来た(多分2組が呼んで来たのだろう)


「お前ら~!何やってるんだ~!!」


と、怒られた。みんな、頭からビシャビシャ。廊下はビチョビチョなのはもちろん。廊下の壁の掲示物、そして、引っ掛けて置いてある体操着袋もビシャビシャになっていた。天井の蛍光灯からも、水がしたたって落ちていた!ピチョンピチョンと、水滴の垂れる音の中……


「馬鹿も~ん!」


と、担任の先生(ちなみに女の若い先生だった)の声が響き渡った!!

先生達も大わらわだった。校長先生、教頭先生も駆けつけ、先生達に指示を出し、用務のオジちゃんは、電気の点検をしていた。でっかいモップが出て来て、先生達が水を外に押し出した。


僕らは、取りあえず、服を脱ぎ、教室の窓や外の花壇の柵に干したのだった。中身が濡れてない者は、体操着を着ていた。

そのあと僕らは、パンツいっちょや、ズボンだけ、(女の子もそうだった気が・・・)になったまま、雑巾がけをしたのだった。そしてそのまま、3時間目は大掃除になった。しかし、4時間目は……


「いったい何をしたか分かる!?」


と、お説教の時間となった。(確か脇に教頭先生もいたなあ)

もちろん、正座で!!

その日は天気が良くて、お昼には、服が乾いていた。エライ怒られたけど、凄い楽しい体験だった。


余談。

思い出した!1組のトミーが、3組のヨネが始めたんだった!そこに、3組のクマが入って、1組のホシが間に入ってケンカになって、僕とホリが参戦!1組対3組との戦争になったのだった。


おしまい



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