第51話「折り畳み傘」

雨がふってきたので、リュックに入ってる折り畳み傘を出した。その時、ふと思い出した。

僕の小学時代の話だ。


◇◇◇


折り畳み傘は、別名「コウモリ傘」と言って、雨の降りそうな日なんかになると……


「ミズキ、雨降りそうだからコウモリ傘、ランドセルに入れていきなよ」


と、爺ちゃんや婆ちゃんによく言われたものだ。でも、まずコウモリ傘なんてものは、持っては行かず、もし持っていくなら面倒でも普通の傘だった。なぜなら小学生の当時は、折り畳み傘は格好悪く嫌いだったからだ。


真っ黒くその色と形から「コウモリ傘」と呼ばれ、(金具もちゃちそうだし)そんな感じが嫌いな理由だった。それに、とじるときの片付けの面倒臭さも嫌いな理由の一つだった。


今でこそ、折り畳み傘には色んな色があり、握りの色や形が可愛いのや面白いあり楽しめるが、当時は、面白味も何もない折り畳み傘ばかりだったのだ。(そうそう、婆ちゃんの折り畳み傘には茶色やクリーム色があったが、じゃあだからと言って僕の興味を引くものではなかった)


◇◇◇


そんな僕だったが、大人になった今は、折り畳み傘が気に入っている。やはり持ち運びの便利さが一番の理由だ。


おしまい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る