第45話「日本刀」

砂鉄の話を書いていて思い出した。日本刀を持ったときは、あまりの重さにびっくりしたものだ!


これなら、そりゃ首が飛ぶよ~!


って、思った。

小学4年の時、カミの家に遊びにいった時の事。僕が刀に興味を持っているのを知っているカミは……


「日本刀を見せてあげるよ!」


と、言って白鞘(しろさや)の日本刀を持ってきた。カミが両手で刀を持つ。パチンと音がすると、ギラギラと照りつける刃が出てきた! カミは警察の鑑識が持っているようなフワフワのついたやつで、ポンポンとした後。


「持ってみなよ」


と、手渡してくれた。


ズシッ!


とした重さに、僕は恐さを感じた。 刃に自分が写っていて、本当に刃に写るんだ!と思った。 見ていると吸い込まれそうだった。


「お父さんのなんだ」


と、カミは言って薄い半紙を実際に切ってくれた。

音もなく切れる半紙。


『カッターと違って、本当の刃物はこうなんだ!』


と、思ったと同時に、ちょっとお腹のあたりが涼しくなったのだった。


おしまい

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