第29話「ダンゴ虫は何を食べるのか?」

僕の小学時代の話だ。

保育園から一緒のコウは、「虫博士」と呼ばれる程、虫が好きで、コウの家にはいつも何かしらの虫が飼われていた。


「ミズキ。ダンゴ虫って何を食べるか知ってるか?」


3年生の時だったと思う。近くの駐車場のフェンスに登って遊んでいるとコウが言った。


「ダンゴ虫?……葉っぱだろ?落ち葉を食べるんだよ!」


僕も虫は好きだったから、図鑑で読んた知識から思い出して答えたのだった。


「ミズキ。ダンゴ虫って、落ち葉以外も食べるんだぜ!」


「えっ!?」


僕は、しばらく考えた。落ち葉以外?……枝?花?蜜?僕は、思い浮かんだ物をコウに言うと、その度に……


「ハイ!ブッブー」


と、言ってニヤニヤしていた。


「え~!分かんないよ」


「ミズキ、降参?」


「降参!」


僕は両手を上げた。


「ミズキ。ダンゴ虫って、石を食べるんだよ!」


「石?石ってあの石!?」


「そう、あの石!そんでもってコンクリートも食べるんだよ!!」


コウはニタニタしていた!コンクリート?また嘘言って!!と、思っていた矢先、カミが駄菓子屋から帰って来た。カミも虫好きだった。


「なあカミ!ダンゴ虫って何、喰うんだ?」


と、僕が聞くと……


「落ち葉と石だよ!」


と、即答されてしまった。 カミは駐車場の脇にあった、捨てられたコンクリートブロックをひっくり返した。


「ほら!居ただろダンゴ虫」


カミがひっくり返した所には、ダンゴ虫がウヨウヨといた。


「コンクリも喰うんだよ!石やコンクリにはカルシウムが入ってるからなあ」


「そうなんだ!」


僕はビックリした。


僕は、学校の側の通称「生コンさん」と呼んでいる、コンクリート工場を思い浮かべた。


「じゃあ、生コンさんの敷地には、ダンゴ虫がウヨウヨじゃん!!」


と、言ったら・・・


「「だから、俺たち入って怒られたんだよ!」」


コウとカミに大笑いされてしまったのだった!


おしまい


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