第159話:破壊

 大穴牟遅と武藤が応戦する王最強の盾の一人「入道」であるが、奴は桁違いであった。

「全てを破壊するスキル『ブレイク』貴様らの身体に焼き付けてやろう」

 まさに破壊そのものの存在であった。

「大国主命!」

 大穴牟遅が手を下し、雷帝の如し雷を打ち砕かんとする。入道に直撃した。

しかし入道の破壊スキルはそれをも退けていた。

「効かんのだよ、我がスキルの前では全てが無力」

「隙が空いていたらどうだい?」

 突如阿修羅が瞬間移動した。

蹴りを食らわされる。そのまま入道は吹き飛んだ。

「たとえ破壊を出来たとしても全身を覆うことは出来ないだろう?」

「くくく」

 入道が起き上がった。

「残念ながらそれが出来てしまうのだよ」

 服が突然ビリビリに破れ始めた。

「ほう」

 パンツ一丁と靴のみになったところをみると、そこ以外は全て触れると破壊の限り尽くされるであろう。

「これが破壊神と呼ばれし男、入道の極道か」

「俺に触れた者は全て粉々になっていくぜ」

 入道が突っ込んできた。

「大穴牟遅、武藤、奴に触れると全身の骨が砕かれるぞ。決して触れるでないぞ」

「了解」

「テレポーテーション」

 入道の頭上から突如瓦礫の雨が降り注ぐ。

しかし入道に触れたもの全て破壊されていく。

「ただの目くらましにしかならんようだが?」

「魔力切れを狙うか、物理攻撃を避けるかどちらかするしかあるまいが」

 3人はただ防戦になるだけである。


 金成達は目に見えない牟田を相手に長期戦を強いられていた。

Sランク以上を相手にする場合はかなりの激戦を強いられる。それは既に分かっていたことであった。だが、このステージをクリアするためにも能力が少なからず、足りていない。だが、それを補うべくものが少なからず近づいていた。

 ある集団が金成達に近づいていたのだ。敵か味方か、しかしこの気配は。

「懐かしく感じるな」

「知り合いか?」

「ああ」

 入道の目の前に突如男が現れ、吹き飛ばした。

そして金成達の前にも姿を現す。

「何奴?」

「これは俺の斥力、お前の身体を吹き飛ばす」

 入道が睨んだ先には副生徒会長の明治がいた。

「お久しぶりね、金成くん」

「おひさっす」

 生徒会長の浅草が登場した。風紀委員の靖国と体育委員の水天、転校生の富士がその場にかけつけたのだ。

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