第93話:伊弉冉①
「てめえ、ぶっ殺されてえのか?」
伊弉冉は靖国に激昂した。顔を紅潮し、声を荒げた。
「ぷぷぷ、お前の女王様プレイをご希望だとよ伊弉冉!お前のブーツであの男のケツを蹴り飛ばしてやれよwwwwwやべえ腹筋崩壊」
「何笑ってんだ伊弉諾!」
「いやこれもうあれっすわ。草不可避。大草原wwwww」
「2chの見過ぎなんだよてめえわ。発言うっとおしいわボケ。秋葉王と同じであんたもほんとヒッキーなんだから、ちっとはこういったところに出て運動しろ!はよあいつ殺せ!教育勅語唱和させるぞコラ!」
非常に荒れた2人であるが、それもつかの間であった。
スキルマスター連携:アルティメットアイズ&テレポーテーション
「俺がいる限り、被害は最小限に」
金成はそう言って、副生徒会長の明治を伊弉冉の近くにテレポートさせた。
一瞬で背後に回る明治である。
「え?」
「アリストテレス」
明治は引力を使って、伊弉冉を引き寄せた。
「伊弉冉!」
伊弉諾は靖国の大胆な発言にそっちに気を取られ過ぎて、伊弉冉が狙われることなど想定していなかった。
「何故突然奴は伊弉冉の背後に現れたんだ?」
伊弉諾は疑問に感じたが、明治が伊弉冉を学校から遠ざけた。
「まああいつも王直属の戦士だ。そう易々とはやられんぞ!」
伊弉諾は後ろを振り返り、残りの生徒を全員皆殺しにしてから伊弉冉の救出に行こうと考えたのだ。
「原宿、ナイトメアを頼む」
金成は砂埃が晴れて自分の姿を敵に見せるわけにはいかなったわけだ。
「あいよ」
校内に黒い靄が放たれた。原宿の視界を奪うナイトメアであった。
「こざかしい。生徒会長の浅草の場所は覚えてるんだよ!」
勾玉を投げ飛ばした。鋭い武器の為簡単に相手の首を撥ねることが出来るだろう。ブーメランのように飛んでくるので近くに入れば、次々と首を撥ねることができる代物だ」
「チェックメイトー!」
伊弉諾は叫んだ。だがしかし、
スキルマスター発動:アリストテレス
「斥力」
伊弉諾が投げ飛ばした勾玉は見事にまたもや弾き飛ばされた。
「ばかな!何でだ?さっき俺の攻撃を弾いた奴は伊弉冉を攫っていったはず。他にも使える奴がいるとでもいうのか?」
金成は電話で明治と話している。
「明治さん極力、伊弉諾から伊弉冉を遠ざけてください」
「分かった。しかし何故だ?特に伊弉冉は参戦してくる様子もないのだぞ?」
「おそらく伊弉諾の能力を解くには伊弉冉を先に倒さなければいけないと思います」
「どういうことだ?」
「俺も其方に向かいます」
金成は立ち上がった。
「みんなすまない。ここで伊弉諾の足止めをしておいてくれ。まず先に伊弉冉を叩く」
「何故伊弉冉から先なんだ?」
「彼らが神話に出てくる伊邪那岐と伊邪那美の子孫であれば、恐らく共通しているのはあの2人が揃っていると寿命がありません。しかし、伊邪那美の醜い姿を見て、伊邪那岐が伊邪那美から逃れようとした時、伊邪那美は伊邪那岐に寿命という呪いをかけます。つまり人間の起源、人間は元来100歳ぐらいまでしか生きれない呪いをかけられたのです。代わりに伊邪那岐は子供を作ることが出来る、性器を開発しました。伊邪那美が呪いで1日で1,000人殺しても、伊邪那岐が1日で1,500人生命を誕生させたように。まず伊弉冉に呪いをかけさせ、伊弉諾の無敵の状態を解く必要があります」
「つまり、伊弉冉は伊弉諾を守るために近くで観戦していたと?」
「そうです、図書館で本を読めなかったからと言って文句を言う人はいません。無料だからです。しかし有料になれば元を取るでしょう。しかし彼らは文句を言ったんですよね?西高校に犯人がいて、うちの高校には犯人がいなかった。だからさっさと終わらせよう、と。おそらくこの高校に来るまでに費用が掛かったんでしょう。なんとか無駄足にならずに、来た以上は元を取ろうとしてこんな虐殺をしてきたはずです。だが伊弉冉はただの付き添いできてる感じなので参戦する意志はあまりなかったように見えますが、それは伊弉諾が思う存分に戦闘に集中できるようにしていたというわけですね」
「成程な。図書館なんて利用しても俺は新聞しか読まなかったからな」
「こちらはとりあえず頼みます。すぐに決着をつけてきます」
「了解した」
スキルマスター発動:テレポーテーション
金成は四次元空間を描き、そのまま異空間に乗って移動した。明治がそのまま伊弉冉を攫ってくれたから助かったのだ。
金成はすぐさま伊弉冉と対決に走ったのだ。あまり人気のいない空き地であった。
「あんたら2人で私の相手をしようっての?」
金成と明治が二人でまたも共闘だ。
「素戔嗚との戦いの時は俺は見ていただけだが、今回は俺も参戦するぞ?いいな」
「構いませんよ。ただしローリスク・ハイリターンでお願いしますね。危険と感じたらすぐこの場から退場してください。そしてここまで彼女を運んでくださってありがとうございます」
「お安い御用だ。そしてどうする奴を?いくら女とはいえ、王直属の戦士だろ?俺たち2人でもかなり危ないぞ。いくらお前が素戔嗚を倒したからとはいえ、油断は出来ないぞ」
「まあ大丈夫ですよ。俺にはとっておきがあります」
「男二人でだべってないで、目の前の敵に集中したら。即座に死んでしまうよ!」
強烈なケリが二人を襲う。
「アリストテレス」
明治が伊弉冉を吹き飛ばす。
スキルマスター発動:ライジングサンダー
金成は全身を雷で纏った。
「あんたは……」
「俺が銀行を襲った張本人だ」
金成&明治VS伊弉冉の戦いが始まる。
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