第89話:企業文化
「そんでどうするの?伊弉諾」
「派手にぶっ飛ばしていくさ」
校庭に現る2人組の男女であるが、警察隊も恐れるこの2人組はマフィア組織や警察機動隊の比ではないぐらいの国家レベルの戦力である。
阿修羅と素戔嗚の2人組にも秀でる程の強力な使い手であるが故、果たして東高校の生徒全員が束になっても勝てる相手かどうかである。
それぐらい脅威な相手であるということである。
「王直属の戦士伊弉諾及び伊弉冉とお見受ける」
風紀委員の靖国と体育委員の水天の2人が応対する。
「何だお前ら?」
「生徒会役員のものだ」
「生徒会?お前らが犯罪者か?」
「そんな輩はいない。もしそんな奴がいたら我々学校側が処分を下している」
「そうかい、ならいいや」
「お引き取り願おう」
「何て言うとでも思っているか?」
「どうしろというのだ?」
伊弉冉が割り込む。
「ねえねえ、ところで今日校長は来てるの?」
「校長と教頭はあいにく席を外している」
「ああそう、あの校長やりづらいのよね~、いないなら好都合ね」
「ああそうだな、伊弉冉」
「?」
「いないっていうなら仕方がない。とりあえずこの高校の誰かが犯人ってことも考えられる。悪いが全員に死んでもらうぜ。反乱因子はしっかりと根絶やしにしておかないといけないんでな」
「なんだと?」
靖国が構える。
「だいたいあんたら校長も非常に腹黒いよね。王国転覆計ってるっていう噂だし」
「そういうおたくらはどうなんだ?権力を行使して国民から税を吸い上げているじゃないか」
「弱肉強食、つまりそういうことだな」
「兵力でものをいうってものだ」
「何をしてくれるんだい?」
「あんたら2人をここで始末するさ」
「この餓鬼2人おもろいね、伊弉諾。遠慮いらないよ」
「伊弉冉、下がっておれ」
靖国は木刀を名刀に変えた。
「俺の剣はよく切れる」
「やってみな」
伊弉諾が挑発する。
靖国の木刀がみるみる真剣へとシフトチェンジしていく。
「これは」
「うおりゃああ」
靖国は伊弉諾に切りかかる。伊弉諾の髪が少し切れる。
「へえ、さっきまで木刀だったのに真剣に変えれるのかい?」
「俺のスキル:イノベーションは技術革新をもたらすが、それだけに留まるつもりはない。世の中に普及する新しい概念として構築するのが俺の能力だ」
「伊弉諾、後ろ」
「ん?」
水天が攻めている。パンサークロウのような鍵爪で切りかかる。
伊弉諾にとってこれぐらいの攻撃はお手の物である。だがしかし、
「なんだ?」
目の錯覚、攪乱か?
「僕のスキル:インフルエンサーは世の中に与える影響力を指す力。そのキーマンとなることで大きな行動力を発揮することができる。あなたは感染したのだ。僕のウイルスに」
「インフルエンザじゃねえかボケ」
伊弉諾が苛立つ。しかし、考えてみた。イノベーションにインフルエンサーときたら、
「なら生徒会長とやらの能力はだいたい想像つくな」
「あら、何のことかね?」
生徒会長の浅草と副生徒会長の明治も登場した。
その背後には30人近い生徒の数が現れた。
「へえ、全員従えているわけかい?」
「私のスキルはもう予想ついたでしょう?」
「組織的な能力とでもいうべきか?」
「ふふふ、そう。私のスキル:ダイバーシティは多様性。つまり企業文化と言ったところね。私の思想には多くの生徒がついてきてくれます。マインドコントロールとは違う、本人達の意思疎通によりそれを成し得ます」
「ふーん」
イノベーション
インフルエンサー
ダイバーシティ
「学校というよりかはこれじゃあもはや企業だな。まあお前のダイバーシティがどれほどのものかはわからねえが」
伊弉諾が魔力を解放し始めた。
「うちのボスの秋葉王のアキバミクスに比べりゃ天と地の差ぐらいはありそうだがな」
「まあやってみないことにはわからんだろうよ」
「伊弉諾、思う存分やっちまいなよ」
「望むところだな、千葉国開戦以来のワクワク感だな」
伊弉諾VS東高校生徒会&校内生徒
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