第49話 拳銃の密輸

人生で銃を突き付けられた経験のある日本人は少ないと思う…。

僕は2度ある。

韓国と中国でだ…。


最初の経験を話そうと思う。


空港で手荷物検査がある。

機内に持ち込む手荷物検査で僕の鞄が引っかかった。

なにやら韓国語で捲し立てる空港職員。

なにも入ってないのだがな~と思い、彼が指さす画面を見ると…拳銃だ?

えっ?どうして?

僕の鞄に間違いない。

赤外線で透けた中身のシルエット、鞄の隅に拳銃一丁。

左右から自動小銃を構えた警備員が走ってくる。

困った…なぜ拳銃が僕の鞄に?

それより…脇腹に自動小銃が当たってます…死ぬのかな?


鞄の鍵を職員に渡し…中身を確認される…大勢の前で下着までフルオープンされるのだ。

怪しいものは出てこない…当たり前なのだが…。

さっきのシルエットは何か?


みんなで考える…言葉は通じないが、連帯感は感じる。


僕は、気づいたのだ!


金属製の部品。

仕事で回った先でサンプルとして入手した様々な部品。

それをなんとなく組み合わせてみる…。

「お~」

そう…見事に銃のような影ができるのだ。


「OK、OK」

じゃねぇよ!

帰国できねぇと思ったんだぞ!

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